家庭連合の田中会長が会見

安倍晋三元首相の銃撃事件で、山上徹也容疑者(41)が恨みを抱いていたという世界平和統一家庭連合の田中富広会長は10日、東京都内で記者会見を開いた。田中会長は事件を機として報じられるようになった同連合への「偏向報道」が、家庭連合の信者に被害を生じさせる「ヘイトスピーチ」になっているとして、「個人の人権を傷つけ、強いては信教の自由を侵害している」と訴えた。
具体的な被害として、全国の教会への脅迫電話や信者の子供たちへのいじめ、信仰を理由に職場から「会社を辞めるよう追い詰められた」などのケースが生じているとし、「偏向報道」のエスカレートが信者への暴力など「新たな被害が発生すること」への懸念を示した。
さらに全国霊感商法対策弁護士連絡会が発表している「被害」の数字について「『相談』のあった当法人にまつわる案件の全てを『被害』と断定して集計発表」していると批判。1998年に年間78件あった裁判は、今年だと訴訟係属中の件数が5件、通知書件数は「この10年で10分の1」に減ったと強調し、報道機関に対して同連絡会の発表する数字が「正しいか否かぜひ検証していただきたい」と呼び掛けた。
また、同連合と政治家との関わりが注目される中、2015年に行われた同連合の名称変更に「政治的圧力や介入」はないと説明。さらに同日に行われた岸田文雄首相の内閣改造・党役員人事について記者から問われると、「宗教団体や信徒も国の政治や選挙に関わっていくことは国民の義務と理解しているし、憲法で保障されている」と指摘し、「当法人との関わり方が強く判断の基準に定められたというなら、それは至極残念」と述べた。



