国際

【連載】赫き群青 いま問い直す太平洋戦史(11) 南雲愚将論再考(下) ミッドウェイ作戦自体に問題 海軍の威信守るため着せられた汚名

南雲忠一中将が批判されるのは、ミッドウェイ海戦で索敵を怠り米空母発見が遅れた上、攻撃隊発進に時間を要し戦機を見誤った点である。いずれも参謀の源田実、草鹿龍之介の具申に従った措置だが、ミッドウェイ島攻撃は米空母を誘い出すための手段で、空母撃滅こそ主目的であるにもかかわらず、南雲らが島の攻略に気を取られ過ぎたことが敗因と解釈されている。

終盤のフィリピン大統領選 マルコス氏/一騎打ち、優勢保つ

9日に投開票を控えるフィリピン大統領選では、世論調査の結果から、独裁政治や戒厳令などで知られる故マルコス元大統領の息子であるボンボン・マルコス元上院議員と、レニー・ロブレド副大統領の一騎打ちが確実視されている。

米どころの回帰なるか タイから

世界の米どころタイ。田園を旅すれば、黄金色に実ったイネを収穫している横で、水を張り田植えされたばかりの緑のイネが風になびいていたりする。

南モンゴル 強まる中国同化政策 家族通じ日本在住者に圧力

南モンゴル(中国の内モンゴル自治区)は満州国の一部であった時代があり、日本と縁の深い地域だ。その南モンゴルで、中国当局が同化政策の一環として、モンゴル語への弾圧を続けている。こうした動きに反発し、言語や文化を守ろうと立ち上がったモンゴル族への圧力は、日本在住者やその家族にまで及んでいる。

【韓国紙】真の「首都」に成り切れない世宗市

世宗市は2012年に発足した特別自治市だ。人口は30万人台なのに「特別自治市」という帽子からして似合わない。盧武鉉(ノムヒョン)政権の時に起工し幸福都市(行政中心複合都市、幸福と行複が同じ発音)と呼ばれた。

ブラジル大統領選 現職ボルソナロ氏が巻き返し 首位ルラ氏との差を縮める

今年10月に実施されるブラジル大統領選挙で、現職の保守派ボルソナロ大統領の巻き返しが鮮明になっている。支持率3位に付けていた中道保守のモロ元法務・公安相が大統領レースから脱落し、同氏を支持していた保守派がボルソナロ氏に流れてきた。新型コロナウイルス対策やプーチン露大統領に対する姿勢が批判を集めるが、世論調査で首位を走るカリスマ左派のルラ元大統領に対抗できる唯一の保守派候補でもある。

【上昇気流】(2022年5月5日)

ウクライナ東部のドンバス地方では、支配拡大を目指すロシア軍とウクライナ軍との激しい攻防が続いて膠着(こうちゃく)状態にある。ロシア軍の作戦に遅れが生じているとの分析もある。

南北再び対決モード 米との同盟強化へ―尹次期政権

北朝鮮は先日の「朝鮮人民革命軍」創立90周年の行事で、金正恩総書記が核の先制使用を示唆するなど強硬姿勢を鮮明にした。一方、韓国は来週発足する保守系の尹錫悦次期政権が米国との同盟強化を打ち出し、今月下旬にはバイデン米大統領との首脳会談に臨む。南北は再び対決モードに入っている。

危機対応で重要な政策論 【ウクライナ危機 識者に聞く】

日本人が危機慣れしていないことを痛感している。危機対応の精神力、あるいは危機対応の際の思考方法がないとの印象を強くした。危機とは何か、危機を防ぐための準備は何か、危機がそれでも起こった時の対応姿勢とは何かについて、根本的に考えを整理しておく。さらに、具体的に起こり得る危機のパターンを洗い直し、いろいろなシナリオ、オプションを平時から念頭に置いておく作業があまりなされていない。

ソロモン諸島、中国と安保協定 国交3年で米豪分断の最前線に

ソロモン諸島はこのほど、中国と安全保障協定を締結した。3年前、台湾と断交し中国と国交を結んだソロモン諸島の対中傾斜は深まるばかりだ。懸念されるのは、太平洋の西半分を自国の影響圏に置きたい中国の太平洋戦略にソロモン諸島が組み込まれることと、中国の警察顧問団による現地訓練が始まることで民主化活動家たちの弾圧が激化することだ。

共に勝利なき戦争 長期化も 【ウクライナ危機 識者に聞く】

現在、東部地域で一つのヤマ、天王山的な戦闘が起こっている。この戦闘の行方が早期に見えてきた場合には、かなり大きな事情変更になる。今回の侵略戦争について、おおむね軍事専門家はウクライナの敗北不可避と言い、歴史家はロシアの敗北不可避だと言っている。私は両方とも正しいと思っている。

国連の戦争抑止“首の皮一枚”に 【ウクライナ危機 識者に聞く】

ここまであからさまに主権国家が別の主権国家に侵略行為を行う国際法違反が行われたことは極めてまれだ。1945年に国際連合憲章体制ができてから戦争がなくなったことはないが、ほとんどの戦争は主権国家同士の戦争ではない。

エルサレム聖地で衝突相次ぐ ガザからはロケット弾

イスラエルでは3月22日以降、4件のテロ事件で14人が死亡した。エルサレム旧市街にあるイスラム教聖地ハラム・アッシャリフ(ユダヤ教呼称「神殿の丘」)では、イスラム教のラマダン(断食月)に当たる4月に入り、パレスチナ人とイスラエル警察との衝突が相次いでいる。

【韓国紙】尹次期政権ナンバー2と責任政治

「一人の下、万人の上」である韓国の国務総理(首相に相当)が適正な権限を与えられないのは大統領制で避けられない側面がある。さらに行政府はもちろん立法、司法府に強大な影響を及ぼす帝王的大統領制で、総理は政権の盾の役割に終わるのが常だった。

マクロン氏再選も課題山積―フランス

大統領選が終わったフランスは、次は6月の国民議会(下院)選挙を控えている。大統領選を含め、フランスの政治状況は大きなターニングポイントを迎えている。大統領選で保革大政党が大敗したことは一時代の終わりを感じさせた。失業、移民、治安、景気回復という30年以上抱え込んだテーマに対して、仏国民は政治にどんな期待を持っているのだろうか。

「女性とは何か」 米で議論 LGBT擁護で揺らぐ定義

米国で「女性の定義」をめぐる議論が政治争点化しつつある。LGBT(性的少数者)の権利拡大の一環で、体は男でも心は女だというトランスジェンダーに女性スペースの使用を認めようとする動きに懸念が広がっているためだ。過激なジェンダーイデオロギーに傾斜するバイデン政権・民主党は、「女性とは何か」という社会秩序の根幹に関わる問いに答えられないでいる。

マクロン氏優勢 追うルペン氏 きょう フランス大統領選決選投票

フランス大統領選の決選投票は24日に行われる。現職中道のエマニュエル・マクロン大統領(44)と右派政党・国民連合のマリーヌ・ルペン候補(53)の一騎打ちで5年前の2017年と顔触れは同じだ。仏メディアは前回より厳しい戦いと指摘している。保革大政党が第1回投票で大敗する中、3位につけた急進左派、不服従のフランスのメランション候補の投票者の動向が注目される。

フィリピン中部 台風被害拡大 大規模な地滑り 集落壊滅

フィリピン中部に上陸した台風2号(フィリピン名アガトン)による洪水や土砂崩れの被害が拡大し、死者はこれまでに179人に達した。政府は9000人以上の人員を投入して救援と捜索活動を行っているが、行方不明者は依然100人を超えている。農業やインフラの損害も拡大しており当局が対応を急いでいる。

龍となるコウモリ軍団 タイから

里山に暮らしていた幼少の頃、春夏の遊びの定番は野山での昆虫獲りだった。

【韓国紙】新しい龍山時代到来後の韓米関係

バイデン米大統領が尹錫悦(ユンソンニョル)政権発足直後の5月21日頃、韓国を訪問する計画が議論されているという。同月24日と予想される日本でのクアッド(米国・日本・豪州・インドの4カ国の枠組み)首脳会議に先立ち、バイデン大統領の訪韓と韓米首脳会談が行われる見通しだ。

注目記事