タリバンが公開処刑 アフガニスタン 復権後初めて

【エルサレム森田貴裕】アフガニスタンのイスラム主義組織タリバン暫定政権は7日、西部ファラー州で、殺人罪で死刑判決を受けた男の公開処刑を行ったと発表した。アフガニスタンの国営バフタール通信(BNA)などが同日、報じた。昨年8月にタリバンが復権して以降、公開処刑は初めて。

暫定政権のムジャヒド報道官によると、バラダル副首相ら暫定政権の高官十数人が立ち会い、イスラム法に基づき刑罰が執行されたという。タリバンの最高指導者アクンザダ師は先月、公開処刑を含むイスラム法に則(のっと)った刑罰を完全に執行するよう裁判官らに命じていた。

アフガンでは、1996年から2001年の旧タリバン政権時代、極端なイスラム法解釈により、公開処刑や石打ち、むち打ちなどが行われていた。タリバンは復権後もイスラム法による統治を進め、女子教育を禁止するなど、女性の権利や自由を制限している。