朝鮮半島

「韓国にノーベル賞受賞者は出る」

科学者の中には「俺はノーベル賞を取るために研究している」という人もいるだろうが、それは少数派ではないか。研究に没頭し、その結果もたらされた実績でノーベル賞を得たというケースがほとんどではないか。もちろん、ブックメーカーは毎年、ノーベル賞週間前には各分野の有力候補者を挙げ、誰が今年受賞するかをオッズで予想するから、その候補者リストに挙げられた科学者は当然、受賞を意識するだろうが、ノーベル賞はあくまでも科学者が立ててきた功績への評価であって、研究の動機とは成り得ないだろう。

日本の「嫌韓」育てた韓国メディア日本語版

韓国の反日感情と日本の嫌韓感情は過度に深くなっており、簡単には解けそうにない。このような結果を招いたのには情報の役割が大きかった。  日本のメディアには韓国語版がないが、韓国のメディアはインターネット日本語版を発行し、日本人が韓国の敵対的な記事をろ過なしで見ることができる。  その上、韓国のネチズンが吐き出す日本に対する敵対的な表現はわれわれが作った自動翻訳ソフトで日本人がリアルタイムに接する。韓国で展開している日本に対する考えと表現はそっくり日本人に中継され、韓国が日本を敵対視していることを日本人に確認させているのだ。その結果、以前にはなかった嫌韓感情が日本列島を覆うことになった。回復する気配さえ見られない。  世論は日本を敵性国家のようにしながら、経済では友邦という二重姿勢では、膠着(こうちゃく)状態に陥った韓日関係を改善できない。韓国政府は近づくアジア時代に備えた具体的な対日政策を提示して、より能動的に世論を先導していくべきだ。水面下で政治交渉した20世紀の方法は通じなくなった。情報化時代の韓日関係の定立には、両国世論の役割が非常に大きいのだ。  従って、韓国のメディアは日本語版記事の効率性を再考しなければならない。感情一辺倒の表現を自制し、平和なアジアの新しい歴史をわれわれが先導していくために、より大局的で多様な対日姿勢の確立が優先されなければならない。 (李徳奉〈イドクボン〉同徳女子大名誉教授・元韓国日本学会会長、8月5日付) ※記事は本紙の編集方針とは別であり、韓国の論調として紹介するものです。

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