
どうする過去の歴史謝罪
岸田文雄首相の訪韓が5月初めに実現すると見られ、今年3月の尹錫悦大統領の訪日時に合意した首脳間シャトル外交が12年ぶりに正常化する。
尹大統領の積極的な対日関係改善に呼応して両国関係の正常化を加速させる一方、北朝鮮のミサイル挑発などと関連した韓日、韓米日安保協力の強化、輸出規制の解除を契機とする経済協力などが議論されるものと見られる。
岸田首相の訪韓は5月19~21日に広島で開かれる先進7カ国首脳会議(G7サミット)後になるとの見通しが多かったが、予想より早まった。これは韓国内の批判世論にもかかわらず日本との関係改善に積極的な尹大統領の動きに呼応して両国関係の正常化を早めたいという意図が作用したものと見られる。尹大統領とバイデン大統領が首脳会談で韓米日の安保協力を強調したことも影響を及ぼしたと見られる。
日本政府が輸出手続きを簡素化する「グループA(旧ホワイト国)」に韓国を再指定する手続きを開始したと発表した翌日(29日)に岸田首相の訪韓検討が明らかになったことは関係改善の流れの効果を極大化することを狙ったものと分析される。
首脳会談の主な議題は半導体を中心とするサプライチェーン(供給網)など経済分野での協力強化と北朝鮮問題に対する認識共有になるものと見られる。G7広島サミットの期間に開かれる見通しの韓米日3国首脳会議を準備する意味もある。
特に韓国と米国がワシントン宣言を通じて「核協議グループ(NCG)」創設に合意し、韓米拡大抑止協議体への参加を願う日本が北朝鮮の核脅威、偵察衛星発射準備の状況などに関する情報共有を求めるだろうという観測が出ている。
強制動員被害補償問題(元徴用工問題)と関連した議論もあるものと予想される。この問題と関連して特に注目されるのは、岸田首相が過去の歴史に対して謝罪、反省を表明するのかどうかだ。日本政府は韓国政府の解決策の提示に合わせて、歴代内閣の歴史認識を継承すると表明したが、直接、謝罪や反省を口にすることはなかった。岸田首相は今回の訪韓でも植民支配に対する謝罪と反省には言及はしないと見られる。
尹大統領が訪米中に直接、「過去の歴史が整理されなければ一歩も進むことができないという考えからは抜け出さなければならない」と強調するなど、過去の歴史への反省を韓日関係改善の前提にはせず未来を強調している点もこうした分析を裏付けている。
慰安婦問題もまた首脳会談の公式議題となることは容易でないように見える。3月の首脳会談時に、岸田首相は2015年慰安婦合意の履行問題を取り上げた。日本は慰安婦合意がすでに国家間合意によって解決され、韓国内の履行だけが残っていると見ている。
(カン・グヨル東京特派員、ホン・ジュヒョン記者、5月2日付)



