【韓国紙】韓米日 北ミサイル情報の即時共有で合意

【ポイント解説】進む軍事協力と残る相互不信

日米韓3国が北朝鮮の核・ミサイルへの対応で軍事的協力関係を進めている。あれほど「反日」を振り回していた文在寅政権時でも軍事面での協力は一定程度あったが、これほど大っぴらに協力体制を見せつけたことはなかった。

韓国は左派政権が保守政権に代わっただけで、これだけの変化を見せる。視点を変えれば、いつでも味方でなくなる可能もあるということだ。文政権時に軍事情報の共有が進まなかったのは、韓国を通じて情報が北朝鮮に漏れることを日米が恐れたからだが、その一方で、スパイ防止法のない日本の情報管理の方が危うく思われていたという説もある。 韓国が示している“懸念”は日本と情報共有することで、日本に韓国軍の能力が知られてしまうという心配だ。1983年の大韓航空機撃墜事件の時、航空自衛隊の稚内レーダーサイトはソ連(当時)軍機、大韓航空機の交信を傍受していた。

ソ連が撃墜を認めなかったことから、米国の要請で日本政府が通信記録を提供して“真相”を明らかにしたことがある。

日本は当初、情報提供を渋っていた。これは外交問題もさることながら、日本のレーダー能力が明らかになることを嫌ったためだった。

だから韓国の心配は決して杞憂(きゆう)ではない。どこまで情報共有していくのかは相互信頼を積み上げていくしかないのだ。

それがなければ、肝心要の時に軍事的な能力の限界とは別に、政治的な理由で情報共有が滞ることが十分にあり得る。軍事情報は生命に関わることだ。韓国政府の思惑で情報を制限されることがあってはならない。

さらに韓国の対中姿勢が3国協力にゆがみをもたらす可能性にも注意が必要だ。現政権ではいいものの、次期政権の外交姿勢次第では変わることが十分に考えられるからだ。

(岩崎 哲)