【ポイント解説】野党・メディアの揚げ足取り
野党とメディアが政権の揚げ足取りばかりするというのはどこの国も同じだし、他に危機の本番が迫っているというのに、些末(さまつ)な議論に終始し、対応の機を逸するというのも似ている。
尹錫悦大統領が国連総会を機に訪米し、岸田文雄首相やバイデン米大統領を“追い掛けて”何とか外交実績をつくろうとしたが、いずれも不首尾に終わり、それどころか「屈辱外交」とか「暴言論議」ばかりがあげつらわれ、散々な結果で帰国した。
国会はまだその尾を引いているが、実際、黄政美編集人が書くように、韓国が直面している経済危機はそれどころではない。非常に深刻で早急に対策を立てなければならない状態だ。その策はスタッフが書くとしても、それをいかに国民に伝え理解してもらい、一致協力して対処していけるかは、まさに尹大統領のリーダーシップにかかっている。
指導者の声が国民に届くためには信頼がなければならないが、前記したように野党とメディアは、あたかも危機から国民の目を逸らさせるかのように「暴言」「外交惨事」ばかりを取り上げて、尹氏の足を引っ張る。
ただし、彼らだけを責めることもできない。過去の危機は金大中、李明博という「準備された」大統領が舵(かじ)を取って乗り切った。国民を説得し、団結させるだけの力量があったのだが、残念ながらというか、尹氏にはそれが足りない。政治家として、大統領として、「準備された」人物ではなかったためだ。
それは当初から分かっていた。検事総長として法執行機関を率いた経験しかなく、汝矣島(ヨイド)(日本で言う永田町)の論理に馴染(なじ)みがないのだ。それを分かりながら大統領に選んだ国民の側にも責任がある。
ゴールデンタイムを逃してしまわないように、いまからでも官民一体となって迫りくる経済危機対応に取り組まなければならない時だ。
(岩崎 哲)



