【ポイント解説】「3不1限」破り捨てるには
韓中関係正常化から30年が過ぎた。その間、経済関係では韓国の対中傾斜が加速し、日米を超える貿易を中国と行っている点から両国関係は深まったと言える。
だが、外交・安保の面では綱渡りを続けてきた。基本的には民主主義、自由貿易の陣営に立つ韓国だが、時たま登場する左派政権の極端な政策で政治・外交的にも中国傾斜を深めることもあり、だからといって、それで韓国政府が期待する「対北関係改善」の梃子(てこ)、あるいは支援者として中国が動いてくれることはなかった。
北核問題は韓国にとっては「生存利益」だが、中国には「戦略利益」だという見方が両者の力関係に色濃く反映しているという指摘は切実なものがある。
いわばこの“同床異夢”が顕在化したのがTHAADだ。韓国(米国)が対北用だと主張しても、中国はそれを認めず、土地を提供した韓国に制裁を加えた。中国の対応が政治的戦略的である以上、韓国がいくら「明らかな論理」で丁寧な説明をしようとしたところで中国が聞く耳を持つはずがない。中国は分かっていて、韓国を締め上げているのだから。
康教授は「米中戦略対立のような巨視的観点よりは、二国間で問題解決の誠意を見せるべき」というが、どうだろうか。中国は韓国を二国間関係の外交相手というよりは対米外交の「駒」として見ている。そうである以上、個別案件ごとの交渉が成り立つはずがない。中国は相変わらず韓国に冊封を与え、朝貢外交を許しているにすぎないのだ。この現実から抜け出すには「3不1限」を破り捨て、対日、対米外交を強固にしていくしかない。IPEFやチップ4に加わるなら、言い訳なしで決然と入り込まなければならない。対等の外交相手と認められるにはその道しかないことは明らかだ。
その腰が定まらないことを「迷走」という。保守政権が誕生したところで、それが続くようでは韓国はいつまでたっても「駒」のままなのである。
(岩崎 哲)



