【韓国紙】韓米関係の進化 価値を共有する同盟へ

【ポイント解説】利益共有より価値共有に

文在寅(ムンジェイン)政権が必死になって進めていた「親中離米」政策が、その実、ほとんど効果を上げていなかったことが数字で明らかになった。「米国を最高の同盟」とする割合がこの間にも上昇していたとの調査結果は、いかに文政権が独りよがりで国民感情無視の政策を進めていたかを示している。まさに左派学生運動出身政権の「理念先行」の空回りである。

そして、安保では米国と組み、経済は中国に依存し、米中双方から旗幟鮮明にすることを迫られて、伝統的な地政学的悩みを抱えていたはずの韓国で、あっさりと「利益優先」でなく「価値共有」であるべきだとの論調が踊り出した。韓国の言論空間が頸木を解かれて乱舞しているようでもある。

尹錫悦(ユンソンニョル)大統領の登場で、このように韓国の向いて行く方向ががらりと変わるのを見ると、韓国政治のダイナミズムを見せられると同時に、付き合い方(外交)の難しさを実感させられる。変化を見極めるのに時間をかける日本の対応が相手にはまどろっこしく映ることもあるだろう。

しかし、日本のスタンスは一貫して「共通の価値」をベースにしており、相手の変化が本物かどうかを見るのは当然のこと。こと対韓外交は「あつものに懲りてなますを吹く」のはしようがない。

それに韓国国会は相変わらず左派野党が多数を占めており、支持率も保守と左派がほぼ拮抗している。政権がいくら「価値共有」外交を展開したくとも、国会の抵抗があれば、政府の行動範囲は縛られる。6月1日の統一地方選と国会議員補欠選の結果を見るまでは日本側から動ける条件はない。

その中で強固な米韓関係が確認されたことは政権与党には追い風となったし、日韓関係にも肯定的な材料であることは間違いない。

(岩崎 哲)