欧州・ロシア

熱波、山火事、雷雨 異常気象続く欧州

熱波が続いたフランスでは今週に入り、南部の大半が嵐に見舞われる可能性があり、すでに雷雨や雹(ひょう)が降っている。16日夕、首都パリで1時間に10~40㍉の雨が降り、複数の地下鉄駅構内に水が流れ込んで駅は閉鎖された。

児童ポルノ対策にプライバシー懸念

欧州連合(EU)の欧州委員会は、児童ポルノ防止のためにネット上のコンテンツ検出に人工知能を活用した監視プログラムの計画を進めている。欧州データ保護監督局と欧州データ保護委員会は11日、欧州委員会の規制草案に伴うプライバシー侵害への懸念を表明した。

ナイフ振り回した男を射殺 仏ドゴール空港で

フランスのパリのドゴール空港内で10日、ナイフを振り回していた男が国境警察によって射殺された。男は同空港内に住む40代のホームレスで、現場の警備員に対して手に持ったナイフで威嚇したため駆け付けた国境警察が制止しようとしたが襲いかかったため、警官が発砲し、その後死亡が確認された。その様子は港内に設置された防犯カメラに記録されていた。

侵攻長期化で苦しむロシア 外交で「包囲網」切り崩し

ウクライナ侵攻が長期化し、制裁にも苦しむロシアが外交で「対露包囲網」を切り崩そうとしている。イランとの接近でイスラエルを牽制(けんせい)する一方で、トルコの取り込みを進めているのだ。ペロシ米下院議長の台湾訪問では、米中衝突に向け中国を煽(あお)ったが、こちらは不発に終わった。

3度目の熱波襲来 フランス 山火事再び発生

フランスは今年3度目の熱波に襲われ、気象庁メテオ・フランスは9日時点で大西洋岸の南西部16県と南部ガール県とボクリューズ県の計18県の熱波警戒レベルを上から2番目のオレンジに指定した。先月末、山火事で最も被害を受けた西部ジロンド県では、再度大規模な山火事が発生し、すでに6000㌶が焼失した。

「鉄のカーテン」開放は資金援助の見返り 独ラジオ「機密文書」公表

1989年、ハンガリー社会主義労働者党(共産党)政権はオーストリアへの国境を開放した。その結果、多数の旧東独国民がこの国境を通過して西側の自由世界に殺到、旧東独社会主義統一党(共産党)政権が崩壊する契機となった。ところが、ドイツ公共放送ラジオ局が4日、「ハンガリー政府が旧東独国民のため鉄のカーテンを開いたのは当時の旧西独政府がハンガリーの債務を救済した見返りの可能性がある」と報じた。

仏急進左派メランション氏 中国の台湾侵攻を支持

フランスの急進左派「不屈のフランス」創設者のメランション氏は、盧沙野・駐仏中国大使の台湾への軍事侵攻の可能性を認める発言に支持を表明した。大使は3日、ペロシ米下院議長の台湾訪問について仏報道専門テレビ、BFMテレビのインタビューで、「中国の台湾への軍事侵攻の可能性はある」と答えていた。

ペロシ氏訪台、欧州の視点 支持するも負担増懸念

米下院議長のナンシー・ペロシ氏が2日夜(現地時間)、台湾を訪問した。同訪問については欧州でもトップニュース扱いで報じられた。その背後には、ロシアのプーチン大統領がロシア軍をウクライナに侵攻させたように、中国の習近平国家主席がペロシ下院議長の台湾訪問を契機に台湾海峡に軍事侵攻をするのではないか、という懸念があるからだ。

韓国人団体 少女像撤去求める 独ベルリン

ドイツの首都ベルリンに韓国人団体「韓国協会」が旧日本軍の慰安婦を象徴する「少女像」を設置したことを受けて、日韓両国間で激しいつばぜり合いが展開されてきた。ところが6月下旬、韓国の別の市民団体が、少女像の撤去を求める集会を実施。韓国でも大きく報道され、波紋を呼んだ。今後の両国間の外交戦にも大きな影響を及ぼしそうだ。

仏大統領がアフリカ歴訪 穀物外交でロシアに対抗

フランスのマクロン大統領は26日、西アフリカの4カ国訪問を開始した。目的はアフリカへの影響力を増すロシアに対抗して、西アフリカ諸国への食料と安全保障の分野での協力と支援を約束するためだ。一方、ロシアのラブロフ外相は24日からエジプトを皮切りにコンゴ共和国やウガンダへの訪問を開始し、ウクライナからの小麦粉の輸送が滞っているのは欧州のせいだと説明して回っている。

EUのロシア産化石燃料依存脱却 経済萎縮懸念で足並みそろわず

ウクライナ危機の終わりが見えない中、ロシア産化石燃料依存を脱却したい欧州連合(EU)は、加盟国間の足並みがそろわず、経済と制裁効果の狭間(はざま)で葛藤している。節電を呼び掛けるEUだが、経済活動に致命傷を与えるエネルギー不足を恐れる今、トータルなエネルギー政策の構築が急がれている。

2050年までに熱波頻度2倍―仏気象庁 欧州各地で山火事

欧州南西部から始まった熱波襲来は、各地で40度を超える最高気温を更新し、ポルトガル、スペイン、フランス、イタリア、ギリシャの各所で山火事が発生した。仏気象庁(メテオ・フランス)は、熱波の頻度が2050年までに2倍に達するとの見方を示し、警戒を呼び掛けている。

ドラギ伊首相、辞任へ  連立3党が事実上の不信任

イタリアのドラギ首相は21日、マッタレッラ大統領に辞表を提出した。ドラギ氏は左右の幅広い政党から成る挙国一致政権を率いていたが、連立与党の主要政党から事実上の不信任を突き付けられたためだ。

増える「サル痘」感染者 スペインから

スペインの保健関係者の新型コロナに次ぐ新たな懸念は、このところ急激に拡大している「サル痘」の感染である。 世界保健機関(WHO)によれば、現時点では「公衆衛生上の緊急事態」には至っていないとしているが、21日にも緊急委員会で再検討する。 アジアでの感染も確認されているようだが、「サル痘」は2022年初頭、最初の症例が確認されて以来、ヨーロッパを中心に徐々に拡大、15日時点では62の国・地域で1万2333人が感染。中でも2835人のスペインが数字の上では群を抜いており、多くは首都の位置するマドリード州で報告されている。ただ、今のところ死亡者が出ておらず、感染者もコロナと比べ少ないためか、市民らは危機感をほとんど持っていない。 「サル痘」感染者の大半は、男性同士の性的関係から生じることで知られ、政府も6月の「プライド月間」後の状況が懸念されることから、主催者側に注意を促すなどの対応を行っている。ところが、新たに、家族や子供(3歳)を含む性的関係によらない感染者が確認され、感染ルート拡大の可能性を懸念している。 「サル痘」は、最初のウイルスが「カニクイザル」から発見されたことからの命名だが、実際にウイルスを持っているのはネズミやリスなどの「げっ歯類」であり、WHOでも名称の変更を検討しているようである。 (T)

EU、加盟交渉入り―西バルカン2国 ブルガリア反対解消受け

欧州連合(EU)は18日、西バルカン地域の北マケドニア、アルバニアの両国とのEU加盟交渉入りについて、全加盟国が合意したことを明らかにした。

欧州各地で熱波 山火事多発 避暑客らも避難

記録的熱波に襲われているフランス、スペイン、ポルトガル各地で、大規模な山火事が相次いでいる。フランスでは全土で200カ所以上に上り、南西部ジロンド県だけで1万4000人以上が避難した。一方、スペインでは1週間近く続く熱波で、地域によって最高気温は45・7度を記録、山火事が全国各地で発生している。

苦境の政権運営 伊仏独英4カ国首脳 エネルギー高騰などで

イタリアのドラギ首相は14日、マッタレッラ大統領に辞意を表明したが、同大統領はドラギ氏の辞任を認めず、議会で収拾を図るよう求めた。辞任理由は、中道左派の第2与党・五つ星運動が同日、上院での政府提出の経済支援対策の法案の採決を棄権したからだった。イタリアは他の欧州諸国同様、エネルギー価格高騰による国民生活の困窮に対して早急に手を打つ必要に迫られている。

フランス同時テロ実行犯の終身確定 全員が上告せず

フランスで2015年11月13日に発生したイスラム過激派による史上最悪のパリ同時多発テロで、1人だけ実行犯として生き残ったサラ・アブデスラム被告とテロに関与した13人の被告は、6月29日に特別大法廷で下された判決に対して、全員が11日深夜までに上訴せず、判決は確定した。フランスで近年、最も注目を集めた同時多発テロ事件の裁判はすべて終了した。

仏要人、次々に異例の追悼―安倍元首相死去

フランスの複数のメディアは、マクロン大統領が安倍晋三元首相の襲撃事件後、日本語を含む3回追悼の言葉をツイートしただけでなく、他の大統領経験者も次々に追悼の言葉を寄せたことを報じた。安倍氏が長期政権だっただけあって、フランスの歴代大統領らが安倍氏に直接会う機会があり、その人柄に触れ感銘を受けていたことがうかがえる。

改憲半ばで倒れる、仏メディア 「大変なショック」―仏大統領など

【パリ安倍雅信】フランスのニュース専門テレビ局、BFMTVは8日、仏通信社AFP電として、安部晋三元首相が参院選の奈良市での応援演説中に銃撃を受け、死亡したことを速報で報じた。安倍氏が戦後、最年少で首相に就任し、歴代最長の任期を務め、アベノミクスの経済政策で世界的に知られていたが、念願の改憲の道半ばで倒れたことなどを伝えた。 少子高齢化や低成長、不況の長期化という先進国共通の課題に対して、「アベノミクス」の経済政策を打ち出し、「前例のない金融緩和政策を実施することを約束した」と伝えた。また、東京五輪開催前の2020年に健康上の理由で辞任したためにコロナ禍の2021年の開会式に首相として出席できなかったことも伝えた。 同報道では、「日本国憲法改正の推進者であった安倍晋三氏は、1946年にアメリカに命じられた戦争放棄の憲法第9条の内容を改正することに成功したことはなかったが、首相の座に就いて以来、改憲は優先事項だった」と伝えた。だが、「安倍政権は日本の防衛費を増やし、2021年の防衛予算の541億㌦は、世界で5番目に大きな軍事力となった」と伝えた。 フランスのマクロン大統領は、ツイッターで「安倍晋三元総理が受けた凶悪な攻撃に大変ショックを受けている。偉大な首相の家族や愛する人たちに思いを寄せる。フランスは日本人に寄り添っている」とコメントした。北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長もツイッターで、この「凶悪な」攻撃に「深くショックを受けた」と述べ、連帯を示したとルモンド紙などが報じた。 さらに欧州理事会のシャルル・ミシェル議長も8日、ツイッターで安倍晋三氏に対する「卑劣な攻撃にショックを受け、悲しみに沈んだ」と述べ、「彼は真の親友であり、多国間の秩序と民主主義の価値観を強く守ろうとした。EUはこの困難なときに、日本国民と岸田首相に寄り添っている」と投稿した。 一方、辞任を表明している英国のジョンソン首相は同日、安倍晋三元首相に対する「卑劣な攻撃」について、「がくぜんとし、悲しみに包まれている」と述べた。

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