欧州・ロシア
フランス 石炭火力発電所再開 深刻なエネルギー不足
フランス北東部モーゼル県にあるサンタヴォル石炭火力発電所が28日、再稼働を開始した。冬の停電のリスクを抑制するのが目的で来年4月までの稼働としている。同発電所は地球温暖化対策で石炭発電を優先的に停止する政策により8カ月前に閉鎖されたが、ロシアのウクライナ侵攻でエネルギー不足が深刻化し、再稼働となった。
東西欧州、狭間の「難民収容国」オーストリアへの流入が急増
冷戦時代、地理的に東西両欧州の間に位置するオーストリアにはソ連・東欧共産圏から200万人以上の政治亡命者が殺到し、オーストリアは「難民収容国」と呼ばれた。冷戦後も同国には経済難民が流入している。ネハンマー首相はここにきて「収容できる限界を超えている」と述べ、難民が流入する西バルカン・ルートへの対策に乗り出している。
EU大統領が訪中へ 仏大統領も来年早々 3期目習氏、巻き返しか
欧州連合(EU)のミシェル大統領は12月1日、中国を訪問し、習近平国家主席と会談する予定だ。今回は中国の招待で実現することになったもので、EUとの関係修復に向け巻き返しを図る狙いが中国側にあるとみられる。10月に3期目に入った習氏に会うための訪中は、EU首脳としては4日のドイツのショルツ首相に次いで2人目となる。
中絶権を憲法に明記承認 仏下院
フランス国民議会(下院)は24日、妊娠中絶の基本的権利を憲法に明記する法案を賛成337票、反対32票、棄権18票で承認した。ただ、憲法に加える手続きは右派が多数を占める上院での承認と国民投票が必要になり、実現は困難との見方もある。
EU、ガス料金上限設定で合意ならず 冬の暖房費 高騰に直面
欧州連合(EU)は、この冬のエネルギー危機を緩和するため、ガス料金の高騰を抑えるための上限設定を行う協議を行ったが、24日には合意に至らなかった。
パリのイルミネーションも時短 フランス
恒例のパリ・シャンゼリゼ通りのイルミネーションがクリスマスまで約1カ月の20日、点灯を開始した。ロシアのウクライナ侵攻でエネルギー価格が高騰する中、点灯時間は短縮されたが、イルミネーション目当てに外国からの多くの旅行客が集まり、コロナ禍明けとあってシャンゼリゼ通りは活気を取り戻している。
「露軍の腐敗がプーチンを悩ます」仏で証言本出版の露軍脱走兵
「われわれが兄弟国ウクライナを敵にする理由が、まったく理解できなかった」と語ったのは、今夏、露軍を離脱しフランスに亡命申請した第56空挺突撃連隊の空挺部隊軍曹、パベル・フィラティエフ氏(34)。彼はSNSで141ページにわたる自身の衝撃的な戦争体験を証言し、16日に戦争の終結を訴えるため『ZOV56』と題した本を14カ国で出版した。
フランス 児童ポルノの一斉取り締まり 村長や役人ら48人を逮捕
フランスで大規模な児童ポルノ取り締まりが15日と16日の2日間にわたって行われ、ポルノ画像や動画をダウンロードして閲覧した疑いのある48人が逮捕された。逮捕者の中には、地方自治体の首長、国民教育に関与する役人、児童福祉関係団体や里親制度関連施設で働く公務員、警察官の親族なども含まれていることが関係者の証言で明らかになった。
【連載】行き詰まるプーチン・ユーラシア外交(下)中央アジア諸国も露離れ
ロシアのウクライナ侵攻で、その隙を衝(つ)くような形で1991年のソ連解体後もロシア軍の影響下で抑制されてきた、アゼルバイジャンとアルメニア、キルギスとタジキスタン間の紛争が再燃し、それぞれ数百人規模の死傷者を出すまでに至っている。明らかに旧ソ連圏諸国間の紛争処理へのロシアの影響力の低下であり、プーチン大統領の旧ソ連圏諸国に対する求心力の急速な低下を示している。
英仏海峡の取り締まり強化 不法移民対策で内相会談
フランスのダルマナン内相は14日、訪仏中のブレイバーマン英内相と会談し、不法移民が小さなボートで仏英海峡を渡るのを阻止するため、仏側沿岸での警官によるパトロールを強化することで合意した。英国政府は取り締まり強化策として来年にかけてフランスに7220万ユーロを支払うことに同意した。
【連載】行き詰まるプーチン・ユーラシア外交(上) 露呈した印・中との距離感
この9月に中央アジア、ウズベキスタンのサマルカンドで行われた上海協力機構(SCO)総会は、ロシアのウクライナ侵攻後初の中露首脳会談が行われる場として大きな注目を集めた。
温暖化対策、途上国支援が不可欠 仏で気候変動への危機感高まる
今年初夏から熱波に襲われたフランスでは、森林火災、干ばつなどの被害が過去最大規模となり、地球温暖化による気候変動への危機感が過去になく高まっている。環境問題は世界的課題であり、一国だけの対応では限界がある。先進国による途上国への温暖化対策への支援も急務だ。
西バルカンの欧州統合など協議 大統領経験者らが国際会議 ウィーン
オーストリアのウィーンで11日、国際連合経済社会理事会の総合協議資格を持つ非政府組織(NGO)、天宙平和連合(UPF)と、モンテネグロ、アルバニアなど西バルカン諸国の大統領経験者でつくる「ポドゴリツァ・クラブ」の共催で、国際会議「西バルカンと欧州連合(EU)の関係、挑戦と展望」が開催され、この地域が抱える問題などについて話し合われた。
バルカン安定に欧州との統合不可欠 オーストリアのファスラベント元国防相に聞く
オーストリアのファスラベント元国防相は11日、ウィーンで開催された西バルカン諸国と欧州統合問題に関する国際会議に参加した際、本紙とのインタビューに応じた。
ネットから子供保護する研究所 マクロン仏大統領が立ち上げ
フランスのマクロン大統領は10日、パリで「オンライン上で子供たちを保護する研究所」を立ち上げた。目的は、未成年者がネット・ポルノ、ネットいじめ、または暴力にさらされる機会が増えていることに対抗するもので「デジタル空間は無法地帯であってはならない。これはすでにテロに対して行ってきた戦い同様、子供たちを保護するレベルで継続しなければならない」とマクロン氏は述べた。
仏の核「欧州抑止力に貢献」 マクロン大統領が強調
フランスのマクロン大統領は9日、南部トゥーロンの海軍基地で演説し、自国が核兵器を保有することは欧州の安全保障上の「抑止力に貢献している」ことを強調した。ウクライナ戦争でロシアによる核兵器使用リスクが指摘される中、10月に「地政学的にフランスの核使用の可能性はない」と発言し、自国中心との批判を受けていたことを打ち消す発言となった。
聖戦と化す露のウクライナ侵攻 「非ナチ化」から「非サタン化」
プーチン大統領はウクライナ侵攻を正当化するロジックとして「ウクライナの非軍事化と非ナチ化」を主張した。侵攻は「ナチズムに染まった」ウクライナを解放するための「正義の戦い」というものだが、ここに至って「ロシアは悪の勢力―サタンそのものと戦っている」という理屈を広めつつある。
リモートワークで地下鉄混雑?
フランスでは、コロナ禍で急増したリモートワークが減り、職場復帰が急増すると思いきや、フランス人が好む「好きな場所で好きな時間に仕事する」働き方がすっかり定着し、田舎の自宅と都会の職場のデュアルワークが主流になりつつある。
中国海運大手 ハンブルク港の株式取得
ドイツのショルツ連立政権は10月26日、同国最大の湾、ハンブルク湾港に四つあるターミナルの一つの株式を中国国有海運大手「中国遠洋運輸集団(コスコ・グループ)」が取得することを承認する閣議決定を行った。
仏画家スーラージュ氏の追悼式、ルーブル美術館で開催へ
フランスの世界的に著名な現代画家、ピエール・スーラージュ氏が亡くなり、11月2日にパリのルーブル美術館中庭でマクロン大統領出席の下、追悼式が行われる。2019年暮れに100歳を記念し、同美術館で大回顧展が開催された。同美術館が生前に大回顧展を開催したのはピカソとシャガールだけで、追悼式を行うことも稀(まれ)だ。



