
【ヘルシンキ吉住哲男】北欧のフィンランドで2日、議会(一院制、定数200、任期4年)選挙が行われ、即日開票の結果、開票率94・2%の時点で保守で野党の国民連合が48議席を確保し、右派のフィン人党、サンナ・マリン首相率いる中道左派の社会民主党(SDP)を抑え、第1党となった。
国民連合は経済対策や財政引き締めを訴え、物価高や医療・公共サービス強化による歳出拡大に不安を感じた有権者の支持を得た。第2党となったフィン人党は経済問題のほか、増加しつつある移民による犯罪問題を訴え、46議席を獲得した。一方、SDPは選挙前から3議席増やすも43議席にとどまり、第3党の立場に転落した。
次期首相になる可能性が高い国民連合のペッテリ・オルポ党首は「国民は変化を望み、わが党に勝利をもたらした」と強調し、国内経済を立て直すと表明。マリン首相は「国民連合におめでとうと言いたい」と敗北を認めた。
今後は国民連合が他党と連立政権発足に向けて協議を進める見通し。オルポ氏はフィン人党との協議に前向きで、国民連合とフィン人党による保守政権が発足する可能性がある。一方でオルポ氏はSDPとの協議も否定していないことから、どの党と連立を組むか注目される。
2019年にフィンランド史上最年少で首相に就いたマリン氏だが、福祉重視で歳出拡大を招き、批判を集めていた。国民連合は緊縮策を訴えており、今後は福祉強化路線が修正される見通しだ。



