砲弾100万発提供へ ウクライナにEU加盟国

【パリ安倍雅信】欧州連合(EU)の10を超える加盟国が20日、ブリュッセルで来年中に少なくとも100万発の砲弾をウクライナに供給することで合意した。総額20億ユーロに相当する支援計画となる。今年に入り、ロシア軍の激しい攻撃への反撃の準備を進めるウクライナ軍の砲弾不足が表面化していた。ウクライナはEUに対し、月に35万発の砲弾が必要と伝えていた。

ただ、EU側も砲弾の生産が追い付かない状況で、多くの専門家は戦車や戦闘機だけでなく、砲弾の供給が対ロシア攻撃の鍵を握るとの見方が強い。今回のEUの合意に対して、ウクライナのクレバ外相は「まさに必要なもの」と歓迎の意をツイートし、期待を表した。

専門家の間では、新年から始まったロシア軍の攻撃はピークに達しており、すでにロシア側に3万人の死傷者が出ているとの指摘もある。今回はEU全加盟国中、17カ国が弾薬協定に合意し、ノルウェーも協定に加わった。当初はEU加盟国の既存の備蓄を活用するために10億ユーロの資金を共有し、5月末までにウクライナに送る予定としている。