【パリ安倍雅信】欧州議会のエバ・カイリ副議長(44)は11日、カタール政府から多額の金品を受け取り、欧州連合(EU)機関の決定に影響を与えようとしたとして、汚職容疑でベルギー当局によって逮捕、起訴された。同様の理由で欧州議会関係者4人も逮捕された。仏日刊紙ルモンド紙などが報じた。ベルギー司法当局は国名を伏せているが、現在開催中のサッカー・ワールドカップ(W杯)を主催するカタールとの贈収賄事件の捜査の一環とみられている。
カイリ容疑者は9日からベルギーの司法当局にカタール関連の汚職容疑で尋問を受け、10日夜には欧州議会のロベルタ・メツォラ議長の報道官が、副議長免職を発表した。ベルギーの経済紙レコーは、カイリ容疑者のブリュッセルの自宅で「紙幣が大量に入った複数のバッグ」が発見され、現行犯で逮捕されたと報じた。同容疑者はギリシャのテレビ司会者としてよく知られている。
カタール政府は、「カタールの行為に対する全ての指摘は、重大な偽情報に基づいている」と報道を否定した。カタールはW杯開催国として、建設労働者の人権侵害が追及され、性的マイノリティー(LGBT)を巡り厳しい批判にもさらされている。



