【パリ安倍雅信】欧州連合(EU)内では高い出生率を保持するフランスで子供を産む数が減少している。一方、イタリアは13年連続で人口が減少しており、ヨーロッパの人口減少は将来への先行き不安が影響しているとの指摘もある。少子高齢化による人口減少は、生産性の低下や技術革新の停滞、医療費増加などに直結するとして、懸念が広がっている。
フランスでは2022年10月に生まれた子供の数は6万213人で、2021年の同月よりも10%減少した。仏国立統計経済研究所(INSEE)は、この減少はフランス本土と海外県両方に当てはまるとし、理由の中には将来への不安が指摘されている。特に地球温暖化、インフレによる経済不安、子育てより仕事という女性が増えていることなどが挙げられているが、一時的現象との見方もある。
一方、イタリア国家統計局(ISTAT)は5日、同国人口が5900万人を下回り、少子高齢化が他のEU諸国より速いスピードで進んでいることを明らかにした。同国は21年時点で人口は5920万人で13年連続で減少が続いている。予測では50年に5420万人、70年には4770万人に減少する可能性があるとしている。



