【パリ安倍雅信】欧州刑事警察機構(ユーロポール)は11月28日、欧州のコカイン売買を大規模に牛耳る通称「スーパーカルテル」の主犯格と共犯者を逮捕し解体したと公表した。欧州メディアが一斉に報じた。「砂漠の光作戦」と命名された今回の国際捜査で、11月8~19日に欧州各地やアラブ首長国連邦(UAE)の組織のアジトなど関連施設を一斉捜索し、容疑者49人を逮捕した。
捜査はフランス、スペイン、ベルギー、オランダ、UAEの5カ国におよび、スペインで13人、フランスで6人、ベルギーで10人など次々に身柄を拘束し、利用していた拠点の家宅捜索で大量のコカインと高級車、多額の現金を押収した。「砂漠の光作戦」はこれらの国の警察およびユーロポール、米麻薬取締局(DEA)が連携して捜査を進めていたという。
スーパーカルテルは、欧州のコカイン売買の3分の1を支配するとされ、ユーロポールの当局者は、「容疑者らによるコカインの欧州への密輸の規模は膨大で、売買には暗号化された通信手段が用いられた」と語った。また、オランダの司法当局は声明で、「コカインは、主に南米からベルギー・アントワープとオランダ・ロッテルダムの港を経由」し、「国際的な麻薬密売に関連する重大な犯罪だ」と説明した。
今回の捜査で押収したコカイン33㌧は過去最大規模で、末端価格で23億5000万㌦(約250億円)に相当する。逮捕者の数は、主犯格の6人はUAEのドバイで逮捕された。中には2019年にUAEで拘束されたオランダ犯罪組織リーダー、タギ被告につながるオランダ人の「大物」容疑者が含まれていたとされる。



