中絶権を憲法に明記承認 仏下院

【パリ安倍雅信】フランス国民議会(下院)は24日、妊娠中絶の基本的権利を憲法に明記する法案を賛成337票、反対32票、棄権18票で承認した。ただ、憲法に加える手続きは右派が多数を占める上院での承認と国民投票が必要になり、実現は困難との見方もある。

法案の背景には、米国で中絶を制限する動きがあることや、ポーランドでは憲法裁判所が2021年に中絶をほぼ違法としたことへの警戒感がある。このため、中絶の権利を死刑の禁止と同様、憲法に明記することで権利の固定化を目指している。

ただ、上院は先月、同様の提案を拒否し、新しい修正案も支持する可能性は低いとみられている。上院を支配する右派政党は、フランスでは妊娠中絶の権利が問題視はされていないと主張している。