仏伊首脳が初会談 友好強調  メローニ右派政権に警戒感も

23日、ローマでフランスのマクロン大統領(左)と会談するイタリアのメローに首相(伊首相官邸提供)(EPA時事)

【パリ安倍雅信】フランスのマクロン大統領は23日、ローマでイタリアのメローニ新首相と初の会談を行った。親欧州連合(EU)で中道のマクロン氏は、EU懐疑派で極右のメローニ氏と相いれないため、会談の可能性は直前まで微妙な状況だった。

マクロン氏は「イタリアと共に、私たちが始めたすべての仕事を継続しなければならない」とのコメントと共に、メローニ氏と撮った写真をツイートした。

マクロン氏は仏伊関係が前ドラギ政権で良好だったため、ユーロに懐疑的で国家主権主義者のメローニ氏との気まずい関係が懸念されたが、先週末、マクロン氏は「彼女と一緒に仕事をする準備は完全にできている」と断言した。

ムッソリーニが権力の座に就いてから1世紀後、その流れをくむメローニ氏が1946年の共和国誕生以来、この国で最も右寄りの政府の首相を務めることになった。欧州でのメローニ氏への警戒感は強く、フランスのブーン欧州問題相は「われわれには機能する欧州の機関があり、一緒に働くことになる。しかし、心配しているのは事実だ」と述べた。

イタリア新政府は、物価の上昇と成長の鈍化がイタリアを含む欧州の国々を襲う経済の混乱の中で首相となった。

解決すべき課題は、第一に政府債務が国内総生産(GDP)の150%を超えるイタリアでは、緩い財政政策を追求するという公約は実現不可能とみられている。第二に右派連合の公約では、イタリアの回復計画に必要なEUからの資金調達で再交渉を試みることになっている。

投資家はイタリア国債に不安を感じ、保険料を押し上げ、財政をさらに圧迫する可能性があると懸念している。