EU、加盟交渉入り―西バルカン2国 ブルガリア反対解消受け

19日、ブリュッセルで記者会見する(左から)北マケドニアのコバチェフスキ首相、アルバニアのラマ首相、欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長(EPA時事)

【パリ安倍雅信】欧州連合(EU)は18日、西バルカン地域の北マケドニア、アルバニアの両国とのEU加盟交渉入りについて、全加盟国が合意したことを明らかにした。

今年後半の議長国チェコのフィアラ首相がツイッターで明らかにした。西バルカンの両国首脳は19日にブリュッセルを訪れ、正式に協議を開始した。交渉協議を阻んでいた北マケドニアの隣国ブルガリアの反対解消を受け、交渉に入った形だ。

北マケドニアは2004年にEU加盟申請を行い、05年に加盟候補国に認定されていた。その後、EU加盟国である隣国ブルガリアが、北マケドニアの言語や同国内の少数派ブルガリア系住民の扱いを理由に交渉入りを拒否。EUは20年3月に北マケドニア、アルバニア両国との加盟交渉開始を決めたが、全加盟国承認が条件のため、加盟申請交渉は延期されていた。

北マケドニアの議会は16日、交渉入りに反対する隣国ブルガリアとの対立解消のため、前EU議長国フランスによるブルガリアとの仲裁案を承認し、ブルガリア系住民の存在を認める改憲を実施したことで、全加盟国の同意が得られ、交渉入りした。

議長国のフィアラ氏は「西バルカン諸国をEUに近づけるための重要な一歩だ」と歓迎した。ただ、交渉から加盟承認までは数年かかるともみられている。一方、アルバニアは09年にEU加盟を申請し、14年に加盟候補国として認定されていた。