欧州各地で熱波 山火事多発 避暑客らも避難

【パリ安倍雅信】記録的熱波に襲われているフランス、スペイン、ポルトガル各地で、大規模な山火事が相次いでいる。フランスでは全土で200カ所以上に上り、南西部ジロンド県だけで1万4000人以上が避難した。一方、スペインでは1週間近く続く熱波で、地域によって最高気温は45・7度を記録、山火事が全国各地で発生している。

仏メディアは、仏南西部で山火事の消火に当たる消防隊の車両数台が火に囲まれ、空からの必死の消火で消防隊が難を逃れたことなどを伝えている。地元の消防当局は対処し切れないと警告。長期休暇でフランス南部を訪れキャンプ場などに滞在する避暑客が多数、避難を余儀なくされている。

一方、スペイン当局によれば、山火事で数千人が避難する中、熱中症などで360人の死亡が確認されているという。スペイン南部では「白い村」として有名なミハスを臨む丘で火事が広がっている。

12日以降の最高気温は、ポルトガルで47度に達し、熱中症などで死者が出ている。北部ポルトの東側で山火事が相次ぎ、今年に入って3万ヘクタールが焼失、約100人が死亡した。

さらにイタリアでは、国内最長のポー川の水位が大幅に下がり、場所によっては干上がり、政府はポー平原一帯に非常事態宣言を出した。英国も15日に高温予想による非常事態宣言を出した。英気象庁の予報では、18日と19日にロンドンやマンチェスターなどで、40度を超える恐れがあると警告している。