中国
権力一元化で安定危うく 中国の習一強体制(上) アジア太平洋交流学会会長 澁谷 司氏に聞く
5年に1度開催される中国共産党大会が10月下旬閉幕し、今後5年間の新体制が決まった。異例の3期続投を果たした習近平国家主席は「習一強体制」構築に成功したかに見える。だが「硬い木は折れ、柳に雪折れなし」との言葉通り、強権は時にもろさを露呈させる。中国は今後、どこに向かうのかアジア太平洋交流学会会長の澁谷司氏に聞いた。今回と次週の2回にわたって掲載する。
【インタビュー】中国で加速する「民族浄化」住人の8割が漢民族、文化も抹殺 「世界南モンゴル会議」 ショブチョード・テムチルト会長
中国当局が進める少数民族の同化政策により、「民族浄化」が加速している。このほど亡命先のドイツから来日した内モンゴル自治区(南モンゴル)における自決権確立を目指す国際連帯組織「世界南モンゴル会議(南モンゴルクリルタイ)」のショブチョード・テムチルト会長は、本紙のインタビューに「われわれは存亡の危機にある」と窮状を訴えた。
中国共産党大会「強制退席」事件、人民日報北京支局に堕したか朝日
5年に1度開催される中国共産党大会が先月下旬、閉幕し今後5年間の新体制が決まった。ドラマはその最終日に起きた。習近平国家主席の隣に座っていた胡錦濤前国家主席が、関係者によって「強制退席」させられた。
【インタビュー】中国「臓器狩り」の実態 生きた囚人から強制摘出 カナダの国際人権弁護士 デービッド・マタス氏
中国当局が気功集団「法輪功」学習者や新疆ウイグル自治区のウイグル人に対して行う弾圧の中でも、とりわけ残虐性が高いのが強制的に臓器を摘出する「臓器狩り」だ。この問題を長年調査してきたカナダの国際人権弁護士デービッド・マタス氏がこのほど来日し、本紙のインタビューでその実態を語った。
【上昇気流】(2022年10月22日)
「不要老鄧、要小鄧」――。1980年代の中国にこんな流行語があった。老鄧とは当時の中国の最高実力者である鄧小平、小鄧とは台湾出身の歌手、テレサ・テンさんの本名の鄧麗君のことで「鄧小平は要らない、鄧麗君が欲しい」という意味である。
中国新指導部、李克強氏の去就焦点 習氏腹心重用、1強優先へ
中国では、5年に1回の党大会が16日から開幕し、閉幕翌日の23日、党最高指導部である政治局常務委員会メンバーが発表される。党トップの総書記には3期目が確実視される習近平国家主席が留任し、引退する3、4人に替わって新メンバーに習近平体制を強固にする習氏側近が加わる見通しで、李克強首相の去就も注目される。
「日中国交 祝うべきでない」
中国の建国記念日に当たる「国慶節」の1日、中国当局から迫害を受け日本に亡命したウイグル族や香港人らが都内で抗議デモを行い、9月29日が日中国交正常化50周年となることに触れ、「中国と国交正常化を祝うべきでない」と訴えた。
中国当局 ウイグル女性に不妊手術
中国・新疆ウイグル自治区で行われている迫害の実態を世界に訴えているケルビヌル・シディクさん(53)は9月30日、都内の記者会見で中国当局による強制的な不妊手術など、自身の体験を語った。
日中国交正常化50年 机上は笑顔、机下は蹴り合い
日中国交正常化から9月29日で50周年を迎える。両国の産業界のパワーバランスも様変わりし、中国国内では日常生活で反日的な動きは少ない。ネット上での反日の言説は手厳しく、今月に入り、ようやく官製主導で祝賀ムードを演出するが、机上では笑顔で握手、机下では蹴り合う隣国関係が続きそうだ。
中国各地で「日本街」誕生、反発も
中国各地で日本の繁華街を再現した「日本街」が続々と誕生後に批判を受けて営業変更する中、日本街がある江蘇省蘇州市で日本の人気漫画のヒロインをまねた浴衣姿のコスプレ撮影をした中国人女性が騒動誘発容疑で警察当局に連行された。連行時の動画がSNSで出回り、賛否をめぐり物議を醸している。
「香港議会」立ち上げへ
香港の民族自決を主張する在外香港人のグループが27日、カナダ・トロントで記者会見を開き、海外居住者を含む香港人の投票による「香港議会」発足に向けた選挙準備委員会の設立を発表した。
香港、愛国教育で共産党の正統性浸透
1日に中国返還25周年を迎えた香港では、記念式典で習近平中国国家主席が「中央による全面的な統治権を堅持し、愛国者による香港統治を実現しなければならない」と述べ、中国共産党の指導による優位性を前提に一国二制度を長期にわたって変えない方針が明確化した。とくに愛国教育は「公民科」教育で中国本土への修学旅行が積極的に推進され、中国共産党の正統性を浸透させる実地見学を重視している。
生きた囚人から臓器摘出 中国・新疆の強制収容所 イスラム教徒標的
中国で生きた囚人から移植のために臓器が摘出されていることを示す新たな証拠を研究者が有力学会誌に掲載し、衝撃を与えている。新疆ウイグル自治区の強制収容所で毎年最大5万人のイスラム教徒から臓器が強制的に摘出されているとの推計もあり、この問題への対応を求める声が高まっている。
香港、来月中国返還25周年
7月1日、香港は英国から中国に返還されて25周年の節目を迎える。2019年の大規模な民主化デモを国家安全維持法(国安法)の制定で押さえ込み、反政府活動を封じ、反テロ対策をさらに強化している。コロナ対策では感染者数が押さえ込めていない。50年間、高度な自治を保障するはずの「一国二制度」は折り返し点を迎える。
対中非難決議採択なく「失望」
国会閉幕の15日、中国から弾圧を受ける諸民族らの代表者は参院議員会館で会見を行い、今国会の参議院で対中非難決議が採択されなかったことに対して「参院議員は人権問題に興味がないのか」と失望感をあらわにした。
「参院で対中非難決議を」
中国弾圧下の諸民族訴え 通常国会の会期末が迫る10日、参院での対中非難決議と人権侵害制裁法の成立を求めて東京・永田町の国会議員会館前で集会が行われた。 中国共産党の弾圧を受けている諸民族の出身者らが参加し、プラカードなどを手に「中国に対して正しくNOと言える国をつくってほしい」などと訴えた。 日本ウイグル協会をはじめ、チベット、南モンゴル(内モンゴル自治区)、香港の出身者による八つの団体が集まった。
「新疆公安ファイル」流出の衝撃 弾圧の実態示す決定的証拠
中国・新疆ウイグル自治区の人権侵害問題に関し、中国当局が少数民族ウイグル族を強制収容していた残酷な実態を裏付ける内部資料「新疆公安ファイル」が先月下旬流出し、世界中のメディアが一斉に報じた。
「虐殺を風化させるな」 中国大使館前で抗議集会
中国当局が民主化運動を武力鎮圧した天安門事件から33周年を迎えた4日、在日中国人らが東京都港区の中国大使館前で、「天安門事件を忘れない」と抗議活動を行った。主催は天安門事件33周年抗議集会実行委員会(実行委員長=民主中国陣線日本代表の王戴さん)。 王戴さんは「中国共産党政府は(天安門事件の)虐殺を風化させようとしているが、私たちは絶対に忘れない」と話し、事件の真実を隠蔽(いんぺい)しようとする中国当局を非難した。 南モンゴル(中国の内モンゴル自治区)出身のオルホノド・ダイチンさんは、中国当局が民衆の声を無視していると糾弾し「中国共産党政権が崩壊しない限り、中国人の民主化はあり得ない」と訴えた。 同日夜には、JR新宿駅南口で、追悼集会(主催=Stand with HK@JPN)が行われた。集まった人々はキャンドルを手に、犠牲になった人々を追悼するとともに、中国の民主化と平和を祈った。
【上昇気流】(2022年6月4日)
明の成祖・永楽帝が北京に遷都して築いた承天門は、その後焼失し、清の世祖・順治帝の時代に再建されて天安門と呼ばれるようになった。その門前の天安門広場が6月4日(1989年)、血に染まった。



