【サンパウロ綾村悟】南米チリで7日、新憲法の草案を審議する「憲法審議会(51議席)」の選挙が行われ、右派勢力が過半数を超える議席を獲得した。
現地からの報道によると、中道・中道右派の2政党が議決に必要とされる5分の3の議席を上回る33議席を獲得した。急進左派ボリッチ氏が所属する与党の中道左派連合は17議席にとどまった。その他に、先住民が1議席を獲得した。
チリの現行憲法は、ピノチェト軍事独裁政権下の1981年に施行されたもの。同国では、2019年に貧困や社会格差の拡大などに不満を抱いた反政府デモが拡大、現行憲法に福祉や教育に対する国家の義務や国民の権利などが十分に明記されていないとして、新憲法制定を求める声が強まっていた。
21年5月に実施された最初の制憲議会選挙では、左派が過半数を獲得した。憲法草案を起草して昨年9月の国民投票に掛けたが、過半数を超える有権者が憲法草案の急進的な内容に反対して否決されていた。
今回、憲法審議会選挙で与党が敗退したことは、急進左派のボリッチ政権にとって大きな痛手だ。右派勢力は、新自由主義的な性格が強い現行憲法からの大きな変更は求めていないとされている。



