中国との国交樹立へ ホンジュラス 台湾断交は必至

ホンジュラスのカストロ大統領のTwitterの投稿(Twitterより)

【サンパウロ綾村悟】中米ホンジュラスの左派カストロ大統領は14日、ツイッターで、中国と外交関係樹立を外相に指示したことを明らかにした。中国との国交が樹立されれば、台湾との断交は必至だ。

昨年1月に就任したカストロ氏は、ホンジュラス初の女性大統領として注目を集めた。親中派の同氏は、大統領選当時から「台湾と断交して中国と国交を結ぶ」ことを公言してきたが、当選後は、米国と台湾から激しい外交攻勢を受けて台湾との国交を維持する意向を示してきた。

台湾と外交関係を持つ国は2016年初め22カ国だったが、中国政府による切り崩しで14カ国に激減。中南米・カリブ海諸国には、親台派の国が多く、そのうち8カ国が集中する(ホンジュラス含む)。

中国は、南米で唯一、台湾と国交関係を結んでいるパラグアイにもインフラ支援などで外交攻勢をかけており、来月30日に行われる大統領選挙では、左派系候補が「中国との国交樹立」を公約に掲げて支持を広げている。大豆などの輸出で経済が急成長しているパラグアイでは、中国の巨大市場は無視できない存在となっており、中国との国交樹立を求める声が強くなっているという。

21年12月には、中米のニカラグアが、台湾との断交直後に中国から大量の新型コロナワクチンを無償供与された。