
【サンパウロ綾村悟】ブラジル国立宇宙研究所(INPE)は10日、2月のアマゾン熱帯雨林と、ブラジル中央高原地帯にあり「カンポ・セラード」と呼ばれるサバンナでの森林消失量が、共に過去8年で最大を記録したと発表した。
報告書によると、2月の1カ月間で、昨年比で62%増となる332平方㌔の森林が消失した。東京23区の総面積(622平方㌔)の半分に当たる森林を1カ月で失ったことになる。一方、サバンナでは、昨年2月比で99%増となる557平方㌔もの森林が失われた。今年1月に就任した左派のルラ大統領は、「アマゾン熱帯雨林の消失量を実質的にゼロにする」ことを公約として掲げており、森林の違法伐採を取り締まる監督官庁の強化や、農業団体との交渉を行っているが、現時点では取り組みが数字に表れていない。



