陸軍司令官を解任 襲撃で「信頼低下」 ブラジル大統領

【サンパウロ綾村悟】ブラジルのルラ大統領は21日、陸軍トップのデアルダ司令官を解任したと発表した。新司令官には、ルラ大統領に近いトマス・リベイロ・パイバ南東軍管区司令官が指名された。

ムシオ国防相は同日、デアルダ司令官の解任は「信頼が低下したためだ」と説明。デアルダ氏は、ボルソナロ前大統領の任期終了直前の12月30日に任命されたばかりだった。

ブラジルでは今月8日、昨年10月の大統領選挙の結果に異議を唱えるボルソナロ氏の支持者ら約4千人が、首都ブラジリアの国会や大統領府、最高裁を襲撃する事件が発生した。これまでに千人以上が逮捕されたほか、大統領府の警護官ら40人以上の軍関係者が解任されている。陸軍トップの解任は、これまでで最高位の軍関係者の更迭となる。

現地メディアによると、新司令官のリベイロ・パイバ氏は、兵士らに対して選挙結果を尊重するよう求めているという。