
【サンパウロ綾村悟】ブラジル国立宇宙研究所(INPE)は25日、アマゾン熱帯雨林での森林火災が増加しており、22日には1日だけで3358件もの森林火災が発生したと発表した。INPEによると、観測が始まって以来、過去最悪といわれた2019年の数字をも上回っているという。
2019年8月は、3万2千件もの森林火災を記録、アマゾン熱帯雨林とパンタナールで発生した森林火災の黒煙が数千㌔離れた南東部のサンパウロ市まで届き、市内が黒煙に包まれる事態となった。
同年の1日当たりの最高記録は8月11日の2366件、今年は19年を超える森林火災が懸念されている。
世界最大の熱帯雨林として知られるアマゾン熱帯雨林は、膨大な二酸化炭素を吸収しており、地球温暖化抑止の鍵を握るともいわれる。専門家は、同熱帯雨林が「サバンナ化」の不可逆点に近づいており、これ以上の森林消失は、地域に大規模な気候変動を及ぼす可能性があると指摘している。



