ブラジル大統領選 ルラ氏「日本などを常任理事国に」

国連機能強化に必要

【サンパウロ綾村悟】10月に実施されるブラジル大統領選挙で最有力候補となっている左派・労働党所属のルラ元大統領(76)は22日、サンパウロ市で外国人記者団向けの記者会見を開き、国連の機能を強化するために「拒否権の廃止と常任理事国メンバーの拡大」が必要だと主張した。

同氏は、「現在の国連機能は弱体化しており、(ウクライナ戦争などの)紛争拡大に対応できていない」と説明、ブラジルや日本、ドイツ、エジプト、南アフリカ、メキシコなどを新たな常任理事国に加えるべきだとした。

また、当選すればアマゾン熱帯雨林の保護や国連改革に取り組む姿勢を明らかにした。熱帯雨林の保護に関しては、熱帯雨林の違法伐採阻止に向けて当局による取り締まりを大幅に強化する方針を示した。

ルラ氏は、会見に先立つ17日、「緑化ローン(融資)」プログラムの導入を検討していることを表明した。森林保護に取り組む農場主に対して、環境に優しい農薬などをより安価に政府ローンを通じて提供する仕組みの導入に意欲を示した。

ダッタ・フォーリャ社が23日に発表した最新の世論調査では、ルラ氏に対する支持率は47%と現職の保守、ボルソナロ大統領(67)の32%に対して有利に立っている。