サル痘で抗ウイルス薬緊急輸入へ ブラジル  

サル痘ウイルスの電子顕微鏡写真=2001年(ドイツのロベルト・コッホ研究所提供)(AFP時事)

【サンパウロ綾村悟】天然痘によく似た症状の「サル痘」が急拡大している南米ブラジルで、同国保健省は1日、天然痘治療薬の「テコビリマット」を緊急輸入することを発表した。政府系ブラジル通信が報じた。

テコビリマットは、欧米ではサル痘の治療のために「研究目的としての緊急使用」が認められている「抗ウイルス薬」。米製薬企業が、世界初の天然痘治療薬として開発、18年には米食品医薬品局(FDA)の承認も受けている。ただし、サル痘に対しての効果は明らかになっていない。保健省は、テコビリマットを世界保健機関(WHO)の米州事務局でもある汎(はん)米保健機構(PAHO)を通じて受け取る予定だという。ブラジルでは先月31日の時点で中南米最多の1342人の感染者が確認されている。