反体制派指導者に懲役10年 ニカラグア 締め付けを強化

【サンパウロ綾村悟】反米左派オルテガ大統領による強権政治が続いている中米ニカラグアで、同国裁判所が7月28日までに、反体制派指導者のスアゾ氏に対して「国家騒乱罪」などで懲役10年の実刑判決を下していたことが分かった。非政府組織のニカラグア人権センター(本部・マナグア)が明らかにした。

スアゾ氏は、2018年の反政府デモを率いたリーダーの一人。同年に「国家騒乱罪」で投獄された後、19年に恩赦を受けて釈放されていたが、今年5月に当局によって再び逮捕されていた。

ニカラグアでは、左派ゲリラ出身の反米左派オルテガ大統領が、反体制派への締め付けを強めており、先月21日には主要紙プレンサの記者や編集者らが迫害により国外脱出を余儀なくされていた。プレンサは、同国メディアへのオルテガ政権による迫害が厳しくなる中で、同政権に対する批判的な報道を続けていた。

また、ニカラグア政府は、米大使の受け入れを拒否する一方で、災害対応などを目的としたロシア軍の受け入れや、中国との自由貿易協定(FTA)締結に向けた交渉を行っており、中米における中露の影響拡大の拠点となりつつある。