
【エルサレム森田貴裕】トルコで14日に行われた大統領選挙は即日開票され、現職のエルドアン大統領(69)がリードしているものの過半数には達しておらず、決選投票に進む見通しとなった。
トルコ国営放送(TRT)によると、開票率約98・55%の段階で、得票率はエルドアン氏が49・34%、6野党統一候補のクルチダルオール氏(74)が45・00%、極右のオアン氏(55)が5・23%となっている。
大統領選挙で勝利するためには得票率50%を超える必要がある。これに届く候補者がいなければ、28日に上位2人による決選投票が行われる。大統領選には中道左派のインジェ氏(58)も立候補していたが、11日に撤退を表明し、3人の候補者による争いとなった。
エルドアン氏は15日未明、首都アンカラで支持者らを前に演説し「決選投票になれば歓迎するが、われわれは完全勝利を疑わない」と述べた。
一方のクルチダルオール氏は15日未明、野党本部で会見し、「決選投票で必ず勝利する」と強調した。
トルコ南部で2月に起きた大地震を巡っては、建築物の耐震規制の甘さや震災への対応の遅れによって被害が増大したとの批判が強まり、20年にわたり政権を維持してきたエルドアン氏にとって最も厳しい選挙といわれていた。
14日に同時に実施された議会選(定数600)は、開票率93%の段階で、エルドアン氏が率いるイスラム系政党・公正発展党(AKP)などの与党連合が324議席、クルチダルオール氏の共和人民党(CHP)など6党で構成される野党連合が211議席を獲得する見通し。



