中国の影響によりモンゴル国で有罪判決を受けた人権活動家のムンヘバヤル・チョローンドルジ氏が今年のノーベル平和賞候補にノミネートされたことが、このほど分かった。2人の日本の国会議員が推薦し、ノルウェーのノーベル委員会から事務局側に推薦受理の通知が届いたという。

ジャーナリストでもある同氏は、南モンゴル(中国・内モンゴル自治区)における母国語教育などをはじめとするモンゴル人の権利の制限を批判しており、2022年2月にウランバートルで逮捕。6月に「外国の諜報機関との協力」の罪で懲役10年の判決を受け、12月に最高裁で有罪が確定した。ムンヘバヤル氏の裁判については同年10月、日本の南モンゴルを支援する議員連盟(南モンゴル議連)が「注視」するとした声明文を出していた。
同氏の弁護士は「独立国であるモンゴル国の憲法の条項やその他の法律は、中国の利益を守るためにモンゴルの市民を犯罪者にすると述べたことは一度もない」と発言しており、民主主義国家である同国の司法に中国の圧力が及ぶ異例の事態となっている。
今回、ノーベル平和賞への推薦人となった日本の2議員の氏名は非公表。
先月12日に発表された同氏の即時釈放を求める共同声明文には、ツァヒャー・エルベグドルジ元モンゴル国大統領や世界ウイグル会議のドルクン・エイサ総裁らが名を連ねた。



