コラム
【上昇気流】(2023年3月28日)
大相撲春場所は、モンゴル出身の関脇霧馬山が小結大栄翔との優勝決定戦を制し初の賜杯を手にした。横綱・大関不在のやや締まらない場所となったが、優勝を争った両力士ほか若手の活躍は大きな世代交代を予感させる。
【上昇気流】(2023年3月26日)
桜が咲いているのに、数日にわたって冷たい雨が降っている。もう散ってしまうのではと気がもめている人もいるだろう。桜は開花も早いが散るのも早い。まさに、平安時代の在原業平(ありわらのなりひら)が詠んだように「世の中にたえて桜のなかりせば春の心はのどけからまし」。
【上昇気流】(2023年3月25日)
感動の余韻がまだ残っている。むろん「侍ジャパン」のWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)優勝である。その瞬間、米フロリダ州マイアミの野球場「ローンデポ・パーク」の至る所で日の丸がはためいていた。この光景が元巨人監督の長嶋茂雄さんの顔と重なった。
【上昇気流】(2023年3月24日)
野球の神様はいた――。ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で14年ぶり3度目の優勝に輝いた「侍ジャパン」と米国との決勝戦を観(み)てそう思った人は多いのではないか。ハリウッド映画を超える幕切れだった。
郷愁の思い満たす1杯のラーメン ブラジルから
ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)日本代表のダルビッシュ有選手が都内のラーメン店を訪れたという記事を読んだ。「日本に帰ってきた時にしか体験できないこと」ということだったが、その想(おも)いがラーメンに向く気持ちは、ブラジルに住む筆者にも分かる。
【上昇気流】(2023年3月23日)
東京都東村山市にある狭山公園は、西側に大きな堤防があり、多摩湖が満々と水をたたえている。この堤防から奥多摩の山々が遠望され、足を止めて写真を撮ったりする人も多い。
沖縄の不発弾事情
沖縄では、不発弾処理に関するニュースを頻繁に見聞きする。筆者が赴任して間もない昨年12月、ある日の白昼、那覇市内の建物の中で「ドン!」と突き上げるような衝撃を感じた。その日、那覇新港で7発の不発弾処理が海中で行われていたことを後日ニュースで知り、衝撃を受けた経験がある。
【上昇気流】(2023年3月22日)
磯田道史著『徳川家康 弱者の戦略』(文春新書/2023年2月)を読むと「素朴一次史料主義」という言葉が昨今の歴史学者の間には根深いらしいことが分かる。当時の一次史料だけを史実と見なして、後世の史料や伝聞の類いは排除するという発想だ。
押し寄せるLGBTの波 韓国から
NHKワールドTVで韓国でも放映中の大河ドラマ「どうする家康」に、家康がそうとは知らず同性愛者(レズビアン)を側室に迎えた場面が出てきたが、ジェンダー問題で日本以上に保守的だった韓国では同性愛を巡る苦悩や葛藤はもっと深かったに違いない。実話ではないが、19世紀末に書かれた小説『方翰林伝』にはレズビアンの主人公が登場する。勝手な想像だが、著者不詳になっているのはこの種のテーマがタブーだったからだろうか。
「多死社会」を生きる
2040年の頃に高齢人口がピークを迎える。年金・医療・介護などが逼迫(ひっぱく)すると予測され、「2040年問題」と言われている。生まれた数の約3倍近い人が亡くなる「多死社会」の到来である。
【上昇気流】(2023年3月21日)
気流子が住む神奈川県のあちこちの桜も花が咲き始め、今週末が見頃かなと楽しみにしていた。しかし、天気は明日あたりから下り坂に向かい、「菜種梅雨」の様相という。土曜日以降は気温もぐっと下がる。
【上昇気流】(2023年3月20日)
大手企業の賃上げ発表が続き頼もしい。日本の雇用の7割を占める中小企業に、大手の「後押し」の効果はあるか。期待したいところだが、不安な要素も少なくない。中小の経営者の高齢化、後継者不足の問題だ。
【上昇気流】(2023年3月19日)
春の雨は温かいというイメージがある。しかし、昨日の東京に降り続いた雨はかなり冷え冷えとしていた。「春雨じゃ、濡(ぬ)れていこう」という新国劇の月形半平太のセリフを思い出すが、とてもそんな気持ちにはなれないほど寒かった。
【上昇気流】(2023年3月18日)
「人間ならば誰にでも、現実のすべてが見えるわけではない。多くの人は、見たいと欲する現実しか見ない」――。これはローマ帝国の基礎を築いたユリウス・カエサルの言葉。評論家の塩野七生さんは『ローマ人の物語』(新潮社)の中で、しばしば引用している。
【上昇気流】(2023年3月17日)
戦後最悪とも言われる日韓関係が、ようやく改善に向かって歩み出した。韓国の尹錫悦大統領が来日して岸田文雄首相と首脳会談を行い、「シャトル外交」の復活などで合意した。韓国大統領が来日しての首脳会談は、国際会議に合わせたものを除けば実に12年ぶり。



