コラム
【上昇気流】(2023年4月7日)
安倍晋三元首相が亡くなる寸前まで読んでいた岡義武著『山県有朋―明治日本の象徴―』(岩波文庫)を読んだ。国葬の弔辞で菅義偉前首相が取り上げ話題となった本である。明治大正の日本の政治史の中で、山県の人と行動を達意の文章で描いている。
【上昇気流】(2023年4月6日)
「ショスタコーヴィチは、たとえ友人たちが相手であっても、常に相手が望むことを言うという習慣を身に付けていたようだ」――。英国の音楽ジャーナリスト、スティーブン・ジョンソンさんが『音楽は絶望に寄り添う』(河出書房新社)で記している。
紅芋タルトが品薄に
コロナ禍から一転、沖縄に観光客が戻り始めている。那覇市の商店街「国際通り」は大勢の観光客でにぎわいをみせている。中でも、沖縄の老舗菓子メーカー御菓子御殿(本社・読谷村)の店舗前には、紅芋タルトを購入するため連日長蛇の列ができ注目を集めている。
【上昇気流】(2023年4月5日)
花見の記憶。20年ぐらい前、井の頭公園(東京都武蔵野市・三鷹市)で花見をやったことがある。が、本当に花見と言えるのかどうか。桜が1~2分咲きだったからだ。それでも公園内は客でいっぱい。座る場所を探すのも困難なほどだった。
初々しかった正恩氏の妻 韓国から
昨年秋から北朝鮮メディアに金正恩氏の娘が登場し話題になっている。背景には正恩氏の妻、李雪主氏と妹、与正氏との確執があるという臆測も飛び交っているが、真相は定かでない。徳川幕府の大奥のように金氏王朝にも後ろで男たちを操る(?)朝鮮版大奥はあるのだろうか。
患者を不安にする手術説明
右足の痛みがひどくなった妻が、かかりつけの整形外科に行った。腰部脊柱管狭窄(きょうさく)症との診断で鎮痛剤、ブロック注射の治療を受けたが、それでも改善しない。「大きな病院で手術を受けた方がいいだろう」と言うので紹介状を書いてもらった。市立病院での検査の結果、やはり手術を受けることになった。
【国境警報】中国公船、領海に80時間超侵入 国有化以降の最長更新 沖縄・尖閣沖
沖縄県石垣市の尖閣諸島沖で、3月30日午前から日本の領海に侵入していた中国海警局の「海警」3隻が2日夜、領海を出た。
侵入時間は80時間36分で、昨年12月の72時間45分を上回り、2012年の同諸島国有化以降で最長となった。
【上昇気流】(2023年4月3日)
犯罪捜査では現場の遺留品などに付着したDNAから犯人を特定するDNA鑑定が、必要不可欠な技術となっている。指紋鑑定より精度が高く、人間の体液中のDNAがその個人を特定するからだ。
【上昇気流】(2023年4月2日)
文章を見直し誤字脱字を正すことを「推敲(すいこう)」という。作家や記者にとっては重要なキーワードになっている。その由来は中国の唐の時代の故事にある。唐代は、李白や杜甫などの世界的に著名な詩人がいる。
【東風西風】大江健三郎氏の「作家の値うち」
福田和也氏の『作家の値うち』(平成12年、飛鳥新社)は、小説を点数で評価し、物議を醸した。しかしその評価は、イデオロギー的予断を排し、師匠の江藤淳に劣らぬ読みの深さ、本質に迫る鋭さに裏打ちされたものだった。
【上昇気流】(2023年4月1日)
イラク戦争から20年が経過した。あれこれ考えていると、宗教学者の山折哲雄さんの言葉がよみがえった。それは「一宿一飯の恩義」である。こう言うと、まるで博徒のようであるが、2001年の同時多発テロで傷ついた米国の対テロ戦に日本はどう臨むのか、その心持ちである。
三方よしのレモングラス精油 インドネシアから
アロマセラピーなどでおなじみのエッセンシャルオイルは、植物から抽出される精油だ。インドネシアはその精油の輸出で世界第4位だ。レモングラスや生姜(しょうが)、クローブなど40種類以上の植物から精油が作られている。
【上昇気流】(2023年3月31日)
魚偏に春と書いて「鰆(さわら)」。文字通り、春を告げる魚である。瀬戸内海に産卵にやって来る春に多く獲(と)れ、これから旬を迎える高級魚である。西京味噌(みそ)に漬けた西京漬けを思い浮かべる人も多いだろう。
【上昇気流】(2023年3月30日)
春の陽気に誘われて、東京の郊外にある高尾山の麓を散策した。JR高尾駅から小仏への道はバス路線だが、バスに乗らず、歩いて自然を楽しむ人もいる。出会った男性もそんな一人だった。
【上昇気流】(2023年3月29日)
理化学研究所などの研究チームが、国産の量子コンピューターを稼働させたことを各紙大きく報道している。スーパーコンピューター(スパコン)を上回る計算能力を秘めており、期待の大きさが分かる。
紳士的な野球人は素晴らしい
WBC第1ラウンド、3月11日のチェコ戦に登板した侍ジャパンの佐々木朗希投手が4回、チェコのウィリー・エスカラ選手の膝に死球を与えてしまった。当初、倒れ込んで痛みを堪(こら)えていたエスカラ選手だったが、佐々木投手が脱帽し、謝罪の姿勢を示し、一塁手の山川穂高選手も帽子を取って謝罪した。エスカラ選手も一塁に進み、ライトのライン沿いに全力疾走で「元気だよ、大丈夫だよ」とアピール。喝采を受けた。
ごみ山積みでも強気のパリ フランスから
今、パリを観光で訪れる人々は、町中に山積みされたごみの山と悪臭に遭遇する。政府の年金改革への反対派がごみ収集を不可能にしているからだ。この状況はフランス全土に広がる。これで、テニスの全仏オープン、カンヌ映画祭、自転車のロードレース、ツール・ド・フランスと続く国際イベントは大丈夫なのか。9月にはラグビーのワールドカップ、来年夏にはパリ五輪が開催される。



