コラム

出生率の「西高東低」

厚生労働省の人口動態統計によると、昨年の出生数は81万人で、過去最少を記録した。戦後、出生数の最多は「団塊世代」が生まれた1949年の270万人だから、その3分の1以下だ。一方、死者数は144万人。こちらは逆に戦後最多で、人口の自然減は60万人超。わが国の人口減少の深刻さが分かる。

【上昇気流】(2022年6月7日)

「僕自身は青春真っただ中なんです」――。83歳で世界最高齢のヨット単独無寄港太平洋横断を成し遂げた堀江謙一さんの言葉だ。69日間の航海の間、使った薬は「目薬とばんそうこうだけ」というのにも驚く。

【上昇気流】(2022年6月6日)

大変な物知り、異能の持ち主というべき子供たちが全国には少なからずいるようだ。私事で恐縮だが小学5年の時、横の席のK君が「先生の言っていることは違う」と時々囁(ささや)いていた。ある時、先生が「ものは自然には光らない」と話したが、彼は「いや、自分で光を出すものがある」と呟(つぶや)いて素知らぬ顔をしていた。

【上昇気流】(2022年6月5日)

「紫陽花の雨を感じてをりし色」(山内山彦)。このところ、近所で見掛ける紫陽花がつぼみから花へと変わっていく様子が分かる。育つ土壌で青や赤など色が違うことはよく知られているが、場所によっても成長の差があり、既に咲き始めている花もある。

英支配終わらせたシンガポール陥落

毎年12月8日が近づくと、メディアは真珠湾攻撃ばかりを取り上げるが、南雲機動部隊がハワイに接近しつつあった頃、陸軍将兵を乗せた大輸送船団は南に向かっていた。

【上昇気流】(2022年6月4日)

明の成祖・永楽帝が北京に遷都して築いた承天門は、その後焼失し、清の世祖・順治帝の時代に再建されて天安門と呼ばれるようになった。その門前の天安門広場が6月4日(1989年)、血に染まった。

静寂のトゥクトゥク タイから

タイらしい乗り物の代表に、三輪タクシーのトゥクトゥクがある。座席は3人掛けソファー一つのみ。屋根は付いているものの、ドアもなければ窓もない。ということは冷房はなく、バンコク中の排気ガスと熱気をまともに受けてしまう。

【上昇気流】(2022年6月3日)

英国でエリザベス女王の即位70年を祝う「プラチナ・ジュビリー」が始まった。テレビ中継からも祝賀ムードが伝わってくる。盛大なパレードには参加しなかったが、バッキンガム宮殿のバルコニーからお祝いの群衆に笑顔で応える女王の矍鑠(かくしゃく)とした様子は、96歳とは思えない。

タダより高いものはない 米国から

ある日、自宅ポストに車のオイル交換が無料になるという自動車修理店のクーポンが入っていた。ちょうどオイル交換をしようと思っていたところだったので、早速、使うことにした。

【上昇気流】(2022年6月2日)

「ソ連から帰ってくると、さっそく僕は、減量にとりかかりました。ようやく『その気』になったのかもしれません。ソ連の『スポーツマスター』どもに、そんな体でよく登れるものだ、と変なところで感心された」。

知事の「冗談」が国際問題に

「会議室に入って椅子に座る時、ゼレンスキー大統領のことが話に上がっていたので、椅子にかける時に何も他意なく『ゼレンスキーです』と腰かけただけです。そしてそのあとすぐ『冗談です』と話しました」

【上昇気流】(2022年6月1日)

「一冊を最後まで通読しなくてもいい」――。千葉雅也著『現代思想入門』(講談社現代新書/近刊)の中の言葉だ。その根底には「読書は全て不完全」という考え方がある。読書に関する完全主義とは違った発想だ。

キンポ空港をなくす? 韓国から

以前、ソウル北西部に位置する20階建てアパートの最上階に住んでいたことがあった。高台にあったので、実際は30階建て最上階くらいの高さだったと思う。ベランダから遠くを眺めると、飛行機が東から西に向かって30秒間隔くらいで次々に飛んで行くのが見える。向かう先はソウル南西部にある金浦国際空港。仁川国際空港が開港して以来、国内便が主流だが、それでも飛行機が頻繁に到着する「空の玄関口」であることを実感したものだ。

【上昇気流】(2022年5月31日)

ロシア軍によるウクライナのオデッサ港の海上封鎖で、世界的な食料危機が懸念されている。オデッサと聞いて映画ファンがすぐに思い浮かべるのは、ソ連のエイゼンシュテイン監督の「戦艦ポチョムキン」の「オデッサ階段」だろう。

【上昇気流】(2022年5月30日)

今、企業が国際的にその価値を高める方途に無形資産の投資・形成の実践がある。蓄積された企業文化や技術を自社だけでなく、社会的価値の創造のために役立てること。広い意味での社会的イノベーション活動が特に大事だという。国の立場で言えば、危機管理能力の向上ということになろうか。

【上昇気流】(2022年5月29日)

梅雨が近づいているのか、先日は強い雨が降った。午後に晴れ上がったので、散歩に出掛けると、道路には雨の気配は既になかった。だが、空気は蒸し蒸ししていた。

【上昇気流】(2022年5月28日)

2005年4月に中国の主要都市で「反日デモ」が繰り広げられたことがある。デモの一部は暴徒化し、日系スーパーや日本大使館などが襲撃された。中国当局が日本の国連安保理常任理事国入りを牽制(けんせい)するために仕組んだ「官製デモ」だった。

犯罪半減は麻薬戦争の効果? フィリピンから

フィリピンのドゥテルテ大統領といえば強権的な麻薬戦争で知られているが、その成果として犯罪が50%も減少していたことが分かった。内務自治省の高官によると2016年に誕生したドゥテル政権下で発生した犯罪は135万件で、アキノ前政権の270万件と比べ50%も減少したという。減少の要因としては、麻薬戦争に伴う治安の改善を強調した。

【上昇気流】(2022年5月27日)

英国を代表するファストフードで、庶民のソウルフードであるフィッシュ・アンド・チップスが、ピンチに直面しているという。その大半をウクライナに頼っていたヒマワリ油の輸入が滞っているためだ。価格が3倍にもなり、業界団体によると、英国内約1万店舗のうち3分の1が今後9カ月以内に閉店を迫られる恐れがある。

高校生だけど高給取り イスラエルから

イスラエルには、シャーピーズと呼ばれるハイテク企業で働く高校生たちがいる。パソコンのスキルに長(た)けた生徒たちは、週に2、3日だけ出勤し、他の社員と共に仕事に取り組んでいる。高校2年生と3年生だが、意見を求めたり質問したりしてくる社員に解決策を提示し、感嘆されているという。

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