コラム
【東風西風】「戦う政治家」の最期
安倍晋三元首相の国葬で、友人代表として菅義偉前首相が感動的な弔辞で紹介した岡義武著『山県有朋』(岩波書店)が話題になっている。安倍氏の最後の「読みかけの本」で、菅氏は山縣有朋(やまがたありとも)が盟友の伊藤博文が亡くなった時に詠んだ歌を今の自分の気持ちに重ねた。同書はネット通販などで品切れとなり、岩波は重版を決めた。
【上昇気流】(2022年10月1日)
ドイツの社会学者マックス・ウェーバーは、祖国が第1次世界大戦に敗北し、多くの国民が犠牲になった苦い経験から、政治家はどうあるべきかを模索し、1919年に「職業としての政治」と題する講演を行った。その中で今日の政治学でもしばしば引用される政治家像を指し示した。
【上昇気流】(2022年9月29日)
米ロサンゼルスのリトルトーキョーに、全米日系人博物館がある。日系米国人の歴史を知ることのできる博物館で、写真や文書や工芸品を展示している。とりわけ重要なのは、第2次大戦中に強制収容された人々の記録だ。
【上昇気流】(2022年9月28日)
安倍晋三元首相の国葬が、東京都千代田区の日本武道館で行われた。武道館とお堀を隔てた九段坂公園で一般献花が行われたので花を手向けてきた。10時前、東京メトロ半蔵門駅に着いたが、地上出口から既に2列の行列ができていた。
【上昇気流】(2022年9月27日)
奈良のシンボルと言えば、大仏と鹿。先日も、鹿たちが相変わらず観光客に愛嬌(あいきょう)を振りまいているのを見た。現在、奈良公園には約1200頭の鹿が生息している。鹿にこれほど身近に接することができる観光地は世界でも稀(まれ)だ。
【上昇気流】(2022年9月26日)
社会保障の話題がマスコミにもしばしば出て国民的関心事になったのは、せいぜいここ30年だと思う。経済が伸びない中、高齢化が進み、増大する社会保障費を誰がどう負担していくのか、急に重い荷物がのしかかってきたという感が当時からあった。
【上昇気流】(2022年9月25日)
最近、台風の影響などで雨が降る日が多い。突然に曇り空からにわか雨が来て、傘の用意をしていないと濡(ぬ)れネズミになってしまうことがある。その上、秋の雨はかなり冷たい。
【上昇気流】(2022年9月24日)
「全くとるに足らない権利侵害を理由に、世界人類の多くを戦争に引きずり込む者が、それでもキリスト教徒だと言って堂々と通用するものでしょうか」――。これは16世紀のオランダの人文主義者エラスムスの問い掛けだ(箕輪三郎訳『平和の訴え』岩波文庫)。
【上昇気流】(2022年9月23日)
<曼珠沙華一むら燃えて秋陽つよしそこ過ぎてゐるしづかなる径>。木下利玄のこの名歌を、高校時代の現代国語で習ったという中高年の人は多いだろう。きょうは秋分の日で、お彼岸の中日。この時期になると、一般的には彼岸花の名で呼ばれる曼珠沙華を詠ったこの歌が浮かんでくる。
多発する「犬の盗難」、身代金要求も 米国から
米国では、毎年200万もの犬が盗まれているとされる。新型コロナウイルスのパンデミック後、在宅勤務が増え、ペットの需要が高まったこともあり、増加しているという。
【上昇気流】(2022年9月22日)
「科捜研の女」というテレビのミステリー番組がある。現在、放映されているのは再放送だが、京都府警を舞台に、法医研究員の女性が科学を武器に犯罪に立ち向かう姿を描いている。
人間国宝・平良敏子さんの功績
国指定の重要無形文化財「芭蕉布(ばしょうふ)」保持者(人間国宝)で長年、沖縄本島北部の大宜味村喜如嘉(きじょか)の芭蕉布を継承してきた平良敏子(たいらとしこ)さんが13日までに大宜味村喜如嘉で死去した。101歳だった。
【上昇気流】(2022年9月21日)
かつての刑事ドラマは「警察対犯人」という図式だった。それが近ごろは、警察内部が描かれることが多くなった。警察も人間社会には違いないから、対立や相克は当然ある。警察組織は面白いから描く価値があるのだろう。
出世払い方式の奨学金
日本では学部生の2人に1人が何らかの奨学金制度を活用している。多くは返還義務がある貸与型で、言わば低利子の教育ローンである。そのため卒業後、低所得を理由とする返還滞納や奨学金破産が問題となっている。4カ月滞納すると、民間の債権回収会社から督促文書が送られ、ブラックリストに登録される。



