コラム
【上昇気流】(2022年11月18日)
近所の家の柿の木のたわわに実った実がすっかり色づいてきた。稔(みの)りの秋のフィナーレを告げているようだ。紅葉もいいが、柿の朱色は日本人の生活に根差した秋色である。
地下鉄で横行する無賃乗車 米国から
米首都ワシントン市の地下鉄ワシントンメトロで、無賃乗車をする人を見掛けるようになった。最近では、若者4、5人が改札を障害物のように次から次へと飛び越えていく姿を見た。別の改札では、何食わぬ顔で強引にゲートを通過する人もいた。
【上昇気流】(2022年11月17日)
紅葉の季節となった。鮮やかに記憶に残る紅葉の風景といえば、まず京都。寺院で真っ赤に色づいた上品なモミジを見た時、この古の都は自然界まで雅やかだと実感し、古典文学の世界が甦(よみがえ)った。
エネルギー危機下のクリスマス オーストリアから
11月に入れば、キリスト教社会の欧州はクリスマス一色となる。2020年は新型コロナウイルスの感染者の急増を受け、各地のクリスマス市場は閉鎖された。昨年は一昨年以上に感染者が増加したが、ワクチンの接種が可能となったことを受け、厳しいコロナ規制下の下で実施された。そして今年こそ本来のクリスマス市場を堪能したいと願っている国民は多い。
【上昇気流】(2022年11月15日)
テレビ番組「てなもんや三度笠」などに出演した喜劇俳優の白木みのる(本名・柏木彰)さんが約2年前に亡くなっていたことが分かった。「てなもんや三度笠」では、小坊主・珍念役で、藤田まことさんが演じる渡世人あんかけの時次郎の相手役を務めた。
【上昇気流】(2022年11月13日)
「秋の夜や旅の男の針仕事」(小林一茶)。江戸時代は電車や車のような便利なものがなかったので、遠出する時は足を使って歩いた。大名の参勤交代などを除けば長旅はほとんどなく、基本的には近郊への旅だった。健康でないと満足に歩くこともできないし、旅行自体も一般的ではなかった。
【心をつむぐ】文化財修復と大寒の水
石川県金沢市の兼六園側に「金城霊沢(きんじょうれいたく)」と呼ばれる泉がある。「金沢」の地名の由来となった場所と伝えられており、毎年7月の氷室開きには、この水でお茶を点(た)てて神前に供え、その後、お茶会で振る舞われる。それほどきれいな清水だ。
【上昇気流】(2022年11月12日)
孔子が編んだとされる『春秋』には洪水や干ばつ、地震などの天災は、誤った政(まつりごと)への天の警告とある。漢代には儒家がこの考えを盛んに広め、「天人相関説」と呼ばれた。
キャンドル灯る「諸聖人の日」フィンランドから
今月5日は、伝統的なキリスト教の祝日である「諸聖人の日」だった。毎年10月30日以降の最初の土曜日に、フィンランドでは諸聖人の日として祝われる。キリスト教の聖人や殉教者を称(たた)えるとともに、身内や親しかった故人を偲(しの)び追悼するのだ。
【上昇気流】(2022年11月11日)
ロシアのショイグ国防相は、ウクライナ軍が攻勢を強める同国南部へルソン市からの撤退を発表した。プーチン大統領が9月に一方的に併合を宣言した4州の一つへルソン州の州都だ。ロシアが伏兵を残し市街戦になることをウクライナ側は警戒しているものの、奪還されればプーチン氏にとっては大きな痛手となる。
命を救った誕生日プレゼント イスラエルから
イスラエルでは、医療サービスや治安維持に一般市民が参加するケースがよくある。男性も女性も18歳から兵役があるせいなのか、一般市民でも救急処置の知識があったり、テロに出くわしたら現場で犯人を取り押さえる市民がいたりする。その道の専門家でなくても、いざというときに市民自ら必要な対処をすることが珍しくない。
【上昇気流】(2022年11月10日)
アートセラピーという言葉を知ったのは、米国人画家ナターシャ・シャピロさんの個展を取材した時だった。2010年11月に東京・目黒区の画廊で開かれ、花や都市の風景の作品が展示されていた。
【上昇気流】(2022年11月9日)
世界的な供給不足になっている半導体。米国は「半導体支援法」で生産のてこ入れをし、高技術の半導体の中国輸出規制を大幅に強化するなど慌ただしい。日本も国際社会の中で大きな力を発揮したい。
和食党でにぎわう店 韓国から
韓国には昔から「日式」と書かれた和食の店が数多くあった。だが、在韓日本人たちの多くにとって、恐らくそういう店に入るのはあまり気が進まなかったと思う。おいしいと思えることが少なかったからだ。ところが近年、韓国人の舌も随分肥えてきたようで、本場顔負けの和食店があちこちにでき、在韓日本人にも好評だ。ただ、和食党向けでありながら、そこは韓国人相手だ。随所に韓国式スタイルを導入する工夫は忘れていない。
「トイレは世界を救う」
地球温暖化問題を話し合うCOP27が終わる翌日の11月19日は「世界トイレの日」。語呂合わせか何かで、トイレ業界が販売拡大で設定したのだろうと思い調べると、国連が2013年に定めたものだった。なぜ、この日なのかと言えば、01年11月19日が世界のトイレ問題に取り組む世界トイレ機関(WTO)が創設された日だったからだ。
【上昇気流】(2022年11月8日)
国連気候変動枠組み条約第27回締約国会議(COP27)が、エジプトのシャルムエルシェイクで始まった。温室効果ガスのさらなる排出削減と共に、アフリカ地域を代表するエジプトが議長国ということで、途上国に対する先進国の資金支援も重要な議題となる見込みだ。



