コラム
【上昇気流】(2023年1月17日)
元日に放送されたNHKの「混迷の世紀『2023巻頭言 世界は平和と秩序を取り戻せるか』」に登場したフランスの経済学者で思想家のジャック・アタリ氏は、ロシアのウクライナ侵攻によって今後、人類史上最大の食料危機が発生し15億人に影響すると指摘した。
【上昇気流】(2023年1月16日)
今、大学の工学部では「宇宙」や「航空」を冠した名前の学科に人気がある。優秀な学生が集まるそうで、その関連ゼミにもなかなか入りにくい。昔は自動車工学が人気だったが、宇宙技術への関心が高い。
【上昇気流】(2023年1月15日)
「北国や家に雪なきお正月」(小林一茶)。東京では正月は雪が降らなかったが、北国では大雪が降る所も多い。その北国である信州生まれの俳人、一茶は、故郷で過ごした雪のない正月に感じるものがあったのだろう。
御神籤の和歌の導き
行動制限のない年末年始ということもあって、今年は初詣の人出もコロナ以前に近づいたようだ。新しい年の幸せを祈り、神社仏閣へと足を運び、今年の運勢はいかにと、御神籤(おみくじ)を引いた参拝者も多いだろう。
【上昇気流】(2023年1月14日)
「町内会長がしっかりしている地域は、犠牲者が少なかった。誰が行方不明か、すぐに分かり救出活動も速やかに行われた」――。正月気分が薄らいでくると、28年前の阪神大震災を神戸市灘区で体験した高見裕一さんの言葉が心に浮かんでくる。
【上昇気流】(2023年1月13日)
英国のチャールズ国王の次男、ヘンリー王子の自伝『スペア』が発売され、波紋を呼んでいる。兄ウィリアム皇太子との確執、17歳でコカインを吸引したことのほか、陸軍時代にアフガニスタン戦争で敵の戦闘員25人を殺害したことなどを告白している。
発砲事件への不安が生むパニック 米国から
米首都ワシントン郊外のバージニア州北部にある大型ショッピングモールで新年早々の1日、買い物客たちが突如パニックになり逃げだすという騒ぎがあった。この混乱は、銃撃事件が起きたとのうわさによって引き起こされた。だが、地元警察によると、実際には発砲はなかった。モール内の宝石店で男がショーケースのガラスを割り、盗みを働いたことが発砲のうわさに発展したようだ。
【上昇気流】(2023年1月12日)
カナダのハドソン湾西部の町チャーチルに、海水が氷結する晩秋、動物写真家らが集合する。その南にケープチャーチルがあって、そこの海岸にたくさんのホッキョクグマが集まってくるからだ。
沖縄の冬は暖かい?
沖縄と言えば「常夏の島」をイメージする人も多いだろう。ハワイほどではないが、実際に沖縄の冬は本土と比べて暖かい。昨年12月の平均気温は約18度で、最高気温も25度を超えた日がほとんどだった。
【上昇気流】(2023年1月11日)
「自分はこの世で、自分自身以上の怪奇も奇跡も見たことがない。自分を知るにつれて自分の異形に驚く。ますます自分がわからなくなる」とモンテーニュ(フランスの思想家)が言っている。
気まずい会食相手 韓国から
ある大手新聞が新年企画で実施した世論調査で興味深い結果が出た。政治理念が異なる人と食事したり一杯やることについて「気まずい」と答えた人が4割で、「気まずくない」(5割)より少ないながら「半数近くに達した」(同紙)。政治談議好きな韓国人らしい質問と答えだが、理念の分断が社会に影を落としているのを裏付ける形になった。
【上昇気流】(2023年1月日)
明治・大正の政治家、大隈重信侯は「政治趣味の涵養」の一文で「およそ政治ほど面倒なものはない」「何か功を為すことがあると、人の嫉妬心を招く。人間は嫉妬心の多いもので、ことに政治上に現れる嫉妬というものは最も甚だしい」と。洋の東西を問わないようだ。
【上昇気流】(2023年1月8日)
「門松は冥土(めいど)の旅の一里塚めでたくもありめでたくもなし」(一休宗純)。あす9日は「成人の日」であるとともに「とんちの日」でもある。一休さん(1〈いっ〉と9〈きゅう〉の語呂合わせ)にちなむ。アニメにもなった頓智(とんち)話で有名な一休さんは、実在の人物で、室町時代に活躍した禅僧の一休宗純のことである。
【連載】赫き群青 いま問い直す太平洋戦史(19) ガダルカナルの死闘(中) 円滑さを欠いた陸海軍の連携
米軍の強襲に慌てた海軍は、ガダルカナル島の奪還を陸軍に諮った。だが陸軍参謀本部には、飛行場設営の話はおろか島の名さえ知らない者がほとんどだった。陸軍の認識不足の背景には、日本軍の構造的問題が横たわっていた。
【上昇気流】(2023年1月7日)
大阪市内の小学校行事に「兎(うさぎ)狩り」があった。遠足の一つで、バスで奈良県境の信貴山近郊に行き、小高い丘の上に児童が一列に並んで網を張る。そして先生の合図で一斉に下り降り、兎を追い詰めていく。昭和30年代の話である。
涙の男とクールな女 ベトナムから
陸路で中国からベトナムに入った時、なぜか今でも忘れない光景がある。国境の町モンカイからハノイに向かう長距離バス停で見たものだ。バスの後部座席には1人の若い女性が乗っていた。窓の外には恋人と思われる青年が力なくたたずんでいる。



