
明日から5月。若葉が目立つ季節で、俳句の季語にも「柿若葉」「樫(かし)若葉」「椎(しい)若葉」などがある。同時に、逆のイメージの「落ち葉」の季語があるのが、この時期の特徴でもある。
「樫落葉」「椎落葉」「松落葉」などだが、これは「松、杉、椎、樟などの常緑樹は新葉の整うのを見届けていたかのように冬を越した古葉を落し始める」(稲畑汀子編『ホトトギス新歳時記』)ことによるもの。要するに、世代交代と言っていい。
5月は自然界におけるそうした変わり目の時期である。世代交代と言えば、統一地方選挙では2世議員候補も多くいて、良くも悪くも相変わらずこの傾向は続いているようだ。
5月はまた、休日が重なるゴールデンウイークがあり、中には「こどもの日」がある。レジャーで出掛けるのもいいが、少子化の流れの中で改めてこの日を祝う意義を考えてもいいかもしれない。「こどもの日」と共に、5月には「母の日」もある。
同じ月に記念日があることは、母子の絆を強く感じさせる。それに対して「父の日」は6月になる。父親の家庭における微妙な立ち位置を感じさせるようで、いささか気になる。季語にも「父の日」はあるが、いつも利用している『ホトトギス新歳時記』には残念だが載っていない。
父親の影が薄いからだろうか。それとも、かつては「父の日」などを設けなくても存在感があったからだろうか。季語ひとつにも、さまざまなことを考えさせるものがある。



