国を挙げて鎮魂の黙祷 イスラエルから

イスラエルのユダヤ人は26日、第75回目の独立記念日を祝った。前日は戦没者記念日であり、1週間前には、ホロコースト(ユダヤ人大虐殺)追悼記念日の式典があった。

独立記念日を祝う前に、無念の中亡くなった先祖や、国の独立と防衛のために命を捧(ささ)げ亡くなった兵士たち、そしてテロによって犠牲となった人たちの魂を慰める。

戦没者記念日に入った夜8時と翌日の昼11時には、イスラエル中で黙祷(もくとう)のためのサイレンが鳴り響く。今年は、たまたま夜の時間にエルサレムの路線バスに乗っていた。バス停ではない所でバスが停車した。運転手は静かな口調で「戦没者記念日の黙祷を捧げる時間です」と車内アナウンスした。1分くらいしてサイレンが聞こえてきた。バス車内では、その場で立ち上がって黙祷する人、座ったまま目を閉じている人がいる。窓の外を見ると、何台もの車が停車し、運転手は車を降りて黙祷していた。

テルアビブでは、イスラエル人とパレスチナ人合同で1万人の追悼礼拝が行われた。政府の発表によると、これまでに亡くなったイスラエルの兵士は男女合わせて2万4213人、テロによる犠牲者は4255人。

こうして犠牲になった魂を慰めた後に、日没と共に盛大な独立記念日が始まる。ユダヤ人の都市では花火も打ち上げられる。

イスラエルでは独立記念日といえば、バーベキューがお決まりだ。毎年誘ってくれるユダヤ人の友人と久しぶりの再会を喜び合い、会話を楽しんだ。(M)