子供が通う学校から「出入り口と校内の警備強化を行います」とのメールが届いた。近年、ブラジル各地で学校や教師・生徒を狙った暴力事件が相次いでおり、いずれも死傷者を出す事件に発展している。
中西部の高校では、ナチス系の極右団体から脅迫を受けるという事案があったばかり。学校の安全体制に関して問い合わせをする保護者も増えているため、安全面の強化は仕方ないことだろう。
メールが届いた後、子供を学校に迎えに行くと、確かに学校関係者の意識がこれまでとは違うと感じた。関係者以外が出入りしないようにしっかりと見張っており、保護者も身元が確認されない場合は校内に立ち入ることができない。
生徒に対しても、学校に持ってきてはいけないもののリストも強化されており、軽食(お弁当)用の金属製フォークまでもが禁止対象となった。
これまでは学校で銃やナイフを使った凶悪犯罪は米国だけのものだと高をくくっていたのだが、「ついにブラジルもか」と意識を変えざるを得ないと感じた。
日本から見たブラジルは、麻薬売買や路上強盗などの犯罪が多く危険な国に見えるのだろうが、犯罪に遭わないように十分に気を付けて生活すれば、意外と安全に過ごすことも可能だった。学校もその一つで、送り迎えにさえ気を付ければ、安心して子供を通わせることができた。
学校からの通達メールを読みながら、学校という聖域さえも侵され始めたことに複雑な感情を抱いた週末だった。(S)



