おばあちゃんママの奮闘 韓国から

韓国の友人が先日、日本旅行に出掛けた。還暦を迎えた奥さんに常日ごろの感謝の意を込めた旅行と聞いていたが、韓国に戻ってから聞くと、面倒を見ている孫娘を一緒に連れて行ったという。その孫はご夫妻の娘の一粒種で、実は公務員としてバリバリ働く娘に頼まれ、日中は代わりに面倒を見ているという。ママの代打役はもう3年になり、孫はおばあちゃんを「ハルモニオンマ(おばあちゃんママ)」と呼び、すっかり懐いているそうだ。

共働きが多い韓国では、まだ幼い自分の子を母親の実家に預けるケースが増えている。保育園に預けたり、経済的余裕があれば家政婦を雇うこともできる。だが、近年世間を騒がせた園内虐待などの事件もあってか、やはり信頼できる自分の母親に預けるのが一番と思うようだ。もちろん預ける側としては、母親とはいえ大変な育児を任せるわけだから、月々謝礼を払うことになる。おばあちゃんにとっても居ながらにしてできるバイトだ。

夫婦水入らずの旅にせず、わざわざ孫を日本に一緒に連れて行ったのにはワケがありそうだ。東京の綺麗(きれい)な街並みやスカイツリー、箱根の温泉、そしてディズニーランド…。4歳児にはちょっぴり早過ぎる感じもするが、そこには外国をじかに体験させようという「母のごとき祖母の教育熱」(友人筋)があったそうな。日頃の世話だけでお疲れのはずなのに、そこまで考えるとは。韓国の「おばあちゃんママ」はかなり本気モードだった。(U)