サーモンスープは料理のダイヤ フィンランドから

フィンランドのサーモンスープ(ロヒケイット)は、スープが苦手な筆者でも美味(おい)しいと感じられる料理だ。先日、イタリアから友人が来たので、フィンランド料理のレストランに招待した。

イタリア料理は国際的に定評があり、フィンランド人の中にもイタリア料理を堪能するためにわざわざイタリアへ旅行に出掛けるという話も聞く。したがって、美味しいイタリア料理の味を知り尽くしている友人にあらかじめ、「フィンランド料理が口に合うかどうか分からないが、フィンランド料理がいかなるものか味わってほしい」と伝えておいた。

ところが、レストランで最初に出されたサーモンスープを一口食べた友人は、「これは美味しい」と絶賛したのだ。その言葉で思い出されたのは、十数年前に日本から来た友人が、フィンランド料理であるトナカイの肉を食べさせてくれるレストランで、最初に出されたサーモンスープを美味しいと言って褒めていたことだ。

サーモンスープはレストランで食べる特別な料理でもなく、一般的家庭料理だ。見た目は単なるクリームスープのような感じだが、一口味わうとサーモンや野菜などの素材の凝縮された絶妙な旨味(うまみ)が口の中で広がり、「フィンランド料理のダイヤモンド」と呼ぶ人たちもいる。イタリア人が絶賛したサーモンスープを、これからは自信をもって多くの人に推薦できそうだ。(Y)