2000人で祝う過ぎ越し祭 イスラエルから

イスラエルでは5日夜から1週間、ユダヤ教三大祭の一つである「過ぎ越しの祭り(ペサハ)」を祝った。今年は、イスラム教のラマダン(断食月)やキリスト教のイースター(復活祭)も重なった。

全ての学校が休みになるので、街には子供や青年が多数繰り出す。イスラエルでは、ほとんどの国民がいずれかの宗教の背景を持っているが、世俗的な人たちにとっては普通の休日にすぎない。長い休みを利用して海外旅行に出掛ける人も多く、普段渋滞する高速道路は流れがスムーズだ。

ペサハ期間中は、イーストが少しでも含まれている食品はご法度なので、小麦粉類は店頭から消え、ペサハ用の商品に差し替えられ、ラビ(ユダヤ教指導者)による食物規定(コシェル)に合格していないレストランは閉店している。祭り前は、家の中を隅々まで徹底的に掃除し、セデル(夕食の儀式)に備える。

セデルは、家族や親戚が集まって祖先の歴史を振り返りながら共に食事をする重要な行事だ。家庭によって異なり、6時間かける正統派ユダヤ教徒もいれば、30分だけ象徴的に儀式を行い普通に食事する家庭もある。

先日、キブツ(農業共同体)出身の友人がセデルの様子の写真やビデオを送ってくれた。約2000人にもなるキブツ住民が一堂に会し食卓を囲んでいた。3時間の儀式と食事の合間には、子供たちによるさまざまなパフォーマンスがあった。

一般的なユダヤ人家庭のセデルに参加したことはあるが、キブツの規模の大きさに驚かされた。

(M)