国連の「持続可能な開発ソリューション・ネットワーク」が先月発表した「世界幸福度報告」(WHR)によると、「世界で最も幸福な国」には6年連続で北欧のフィンランドが選ばれた。6年も世界一が続くと、フィンランドは正真正銘、世界で最も幸福な国なのだろう。
ドイツ週刊誌シュピーゲルの記者が「なぜフィンランドが6年も国民の幸福度で断トツか」をテーマに、しゃれたエッセーを書いていた。見出しは「ヘルシンキでのドルチェヴィーター(甘い生活)」だ。
ところで、フィンランドの気候は厳しい。気温は寒いし、冬は長くて暗い。国民の自殺率は高く、アルコール中毒者も多い。そしてうつに悩まされる国民が多い。にもかかわらず、フィンランド国民は世界で最も幸福な国民なのだ。
そういえば、フィンランドはサウナ文化が有名だ。人口560万人の同国でサウナの数は大小合わせて300万はあるという。フィンランドでは何かあると服を脱いでサウナに入る。そこでウオッカなどを飲みながらゆったりとした時間を過ごす。
フィンランドのナショナルフードといえば、ライ麦パンとカレリアンピーラッカ(パイの一種)だ。質素な黒パンをかじりながらサウナに入り、ゆっくりと汗をかく。フィンランド国民は現実の生活に満足することに長けている…。
これがフィンランド国民の幸福の源泉ではないか、とシュピーゲル誌記者。「現状に満足するフィンランド国民と比べ、ドイツ国民は満足することができずに常に何かを求め出す」と反省していた。
ちなみに、ロシアと戦争しているウクライナ国民の幸福度は92位だ。一方、戦争はしていないトルコ国民は106位とウクライナ国民より低いのだ。(O)



