米国でセルフレジは近年、食料品店などで増え続ける一方だ。たいていは並ぶ必要がなく、会計を早く済ますことができるため、最近は利用することが多い。
気になるのは、広々としたスペースに何台もセルフレジが並び、そこに店員が一人だけ配置されているというようなケースも多く、店員の目が十分に行き届かないのではないかということだ。一部の商品をスキャンしないで買い物袋に入れても、気付かれないのではないか。
実際、セルフレジを利用した万引きは増加していると伝えられている。ある調査では、20%近くの人が過去にセルフレジで盗みを働いたことを認めた。
ただ、万引きを阻止するための一定の体制は取られているという。米小売り大手ウォルマートのある元従業員がソーシャルメディアでその万引き防止策を公開した。それによれば、店員は万引きに気付いた際に装置を用いてレジを一時停止させ、機械の故障を装って客に近づき、店員のいるレジへと案内する。そうすることで、客を非難することを避けながら、万引きを防ぐことができるという。
またウォルマートでは、セルフレジの監視カメラを頻繁にチェックするなど対策を強化しており、ミシガン州のある女性は昨年、万引きを繰り返し、1000㌦相当の商品を盗んだことで逮捕された。
万引き増加というリスクがありながらも、セルフレジが広がっているのは、少なくとも今のところ人件費削減や顧客の利便性向上などメリットの方が上回っているということなのだろう。
(Y)



