3月2日、国会議員の任期満了により、総選挙に向けて各党の選挙運動が始まった。来月2日には、新たな200名の国会議員が選出される予定だ。
フィンランドでは、日本のようなキャンペーン・カーなどでの騒がしい選挙運動はない。候補者のポスターが道路脇に掲げられたり、政党ごとのチラシが郵便受けに入ったりはするが、候補者たちの街頭演説はなく、ショッピングセンターの一画などでテントを張ってそこで政策を紹介したり、人々と交流するのがもっぱらだ。
どの政党に投票したらいいか分からない人のために、いくつかの質問を答えることによって、どの政党が自分の考えに近いかを示してくれるネットサイトもある。つまり、人々は自らの選挙区の特定の候補者個人に投票するが、その票はその候補者が所属する政党にも入るのだ。議席は、各政党の得票比例によって振り分けられるシステムとなっている。
したがって、多数の政党が同時に存在する可能性が大きく、2019年の国会改選で議席を獲得した政党は10党に上った。また、選挙で第1党となったとしても、単独での政権はほぼ不可能であり、他の政党と連合を組まざるを得なくなる。現時点では、与党が政権を維持することは難しいと見られているが、それもあってか、最後の国会審議の終わりに、与党の女性党首たちが一緒に壇上でセルフィーを撮っていたシーンには、笑みがこぼれた。(Y)



