クレジットカード大国である米国で、カードから情報を盗み取るスキミング被害が急増している。データ分析会社によると、米国では昨年、被害に遭ったカードは一昨年の5倍の16万1000件以上だった。その総額は、年間1億㌦以上にもなるという。
実は筆者も最近、この被害に遭った。デビットカードの購入履歴を見ると、筆者が行っていないはずのニューヨークのハンバーガー店やアイスクリーム店、チーズケーキ店などで買い物をした記録が残されていて、合計100㌦近く使い込まれていた。
急いで近くの銀行の支店に行って事情を話すと、若い男性行員が手慣れた様子ですぐに新しいカードを発行してくれ、幸い不正に使用された分の金額も埋め合わせてくれた。しかし、どこでカード情報が盗まれたのかはいまだに分からないままだ。
スキミングは、ガソリンスタンドや銀行ATM、食料品店などでカードリーダーの上にそれに似せた装置をかぶせるなどしてカード情報を盗む。特に標的とされているのがガソリンスタンドだ。米国ではほとんどセルフ式のため、犯罪者は自分の車にガソリンを入れるふりをしながら、装置を取り付けることができる。
ただ筆者は、ガソリンスタンドでは普段クレジットカードを使っているので、そこでデビットカードの情報が抜き取られたとは考えられない。思い当たるのは、銀行ATMか駅の券売機だ。今までは特に気に留めていなかったが、今後そういった場所でカードを使うときは、何か妙な装置が取り付けられていないか、より注意深くなりそうだ。(Y)



