
沖縄本島北部のやんばる地域に2025年、テーマパークが完成する予定だ。この建設に向けた起工式が今月7日、今帰仁村で行われた。25年ごろの開業に向けて本格的に工事が始まる。
テーマパークは、名護市と今帰仁村にまたがるゴルフ場の跡地で総面積は約56㌶。東京ドーム12個程度の広さだ。パークの詳細は明らかにされていないが、自然環境とアクティビティーが融合した沖縄らしいものになると予想される。
起工式には事業の準備会社であるジャパンエンターテイメント(名護市、加藤健史社長)、事業を発案したコンサルティング会社・刀(大阪市)の森岡毅CEO、玉城デニー知事、地元住民らが参加した。
起工に至るまでのプロセスは平易ではなかった。15年3月にユニバーサルスタジオジャパン(USJ)運営会社のグレン・ガンペルCEOが大阪市で、沖縄進出の方針を表明。ガンペル氏は同年7月、沖縄県庁に当時の翁長雄志知事を訪ね、東京五輪が予定されていた20年度の開業を目指し、16年度に着工する考えを伝えた。
「美しい海と独自の文化を持っており、観光のポテンシャルが高い。ハワイと比較しても地の利がある」などと述べ、テーマパーク事業で十分採算ベースに合うと期待を示していた。
ところが、同年11月、米メディア大手のコムキャストがUSJ運営会社の買収を発表すると、同社は翌16年5月、沖縄でのテーマパーク事業からの撤退を決めた。
森岡氏は17年にUSJを退職し、マーケティング会社を設立。翌年、沖縄の有力企業のオリオンビールなど3社とテーマパークを建設する新会社を設立した。沖縄らしい魅力が詰まったスポットの誕生に期待したい。
(T)



