ゆったり流れる沖縄時間

沖縄

沖縄を離れて首都圏に暮らし始めて気付くのが、沖縄のゆったりとした、悪く言えば適当な時間の流れだ。

東京に到着してすぐ感じたのは、駅での人の歩くスピードの速さだった。新宿や渋谷、品川など乗り換え客が多い駅では特に流れに従って歩かないといけない。

大きな荷物を抱えながら乗り換え駅の場所を探して右往左往していると、人々の流れを止めてしまうし、ぶつかることだってある。

人と会う時も時間は必ず守るか、または、時間前に到着することが普通の社会。一方、沖縄では特にプライベートの場合は遅刻することが当たり前の文化と言える。

欲しいものや情報がネットですぐに得られる時代にあって、東京のスピード感が普通なのであろう。ネット通販で注文すれば、最速でその日のうちに届くが、沖縄の場合は航空便に積載できない荷物の場合は1週間程度かかってしまう。週刊誌や月刊誌は本土よりも数日遅れでしか読むことができず、不便は感じていた。

こうした不利性はあっても、沖縄の時間の流れを懐かしむ人は多い。観光客が沖縄に求めるものは、そこにあろう。

沖縄市出身の歌手のRude-αさんは、東京で人にぶつかっても何も言われなかったことにカルチャーショックを感じ、ホームシックを感じ、活動拠点を沖縄に移すことを決意したと、あるライブで話していた。進学や就職で沖縄を離れても、いずれ沖縄に戻ってきたいと考えている沖縄県民はかなり多い。

ゆったり流れるウチナータイム(沖縄時間)とそこに住む人々のおおらかな性格が、沖縄ファンを増やす要因なのだと実感する。

(T)