食器はプラスチック イスラエルから

地球だより

イスラエルでは、お祝いなどで人が集まると、使い捨てのプラスチック製品をよく使う。初めてユダヤ人の友人から食事に招待された時には、テーブルの上に並べられた皿、コップ、ナイフ、フォーク、スプーンなどすべての食器がプラスチック製で驚いた。食事が終わると、ビニール製のテーブルクロスで食器ごと丸めてゴミに出す。貴重な水で食器を洗う必要はなく、後片付けがとても楽だ。

イスラエル環境保護省によると、イスラエル人1人当たりの使い捨てプラスチック使用量は世界の上位にランクされ、欧州人の5倍近くに上るという。

イスラエルでは街を歩いていると、よくゴミのポイ捨てを目にすることがあるが、使い捨てプラスチックがイスラエルの海岸を汚染していることが問題となっている。海岸のゴミによる汚染の70~90%が使い捨てプラスチックで、特にテルアビブビーチとその周辺は汚染が進んでいる。環境団体などボランティアの人々が定期的にビーチの清掃活動を行っている。

ヘブライ大学ハダサ公衆衛生学部の疫学教授で、イスラエル公衆衛生医師協会のレビン会長は、プラスチックには問題があり、次世代にも影響を及ぼすと警告する。プラスチックに含まれる化学物質、特にフタル酸エステルが子宮内汚染、精子の数や質の低下を引き起こし、胎児の脳の発達を妨げるという。

これまで、プラスチックの人体に及ぼす影響など考えずに生活してきた。毎日使う食器だけでもプラスチック製ではないものにしようと思う。(M)